【105】・見覚えのある名前。 ページ39
『Aside』
八鳳さんと受け付けの仕事をしてた私が宿帳を確認していると、見覚えのある名前を見つける。
A「あっ....」
思わず声が出てしまい、八鳳さんが近付いて来た。
八鳳「どうしたの?知り合いの名前でも見つけた?」
A「はい、まぁ....そういう感じです」
八鳳「へぇ、良かったじゃん。時間が空いてたら、その知り合いと話せるかもよ?」
眉を上げて、如何にも興味ありげという顔をされた。
A「それも凄く良いんですけど、また今度にしようかと思っています。こういうのは、皆で集まった方が良さそうですし」
折角集まるなら、全員一緒が良いと思ってしまう。
4人で一緒に会った方が絶対に楽しくなるから。
八鳳「Aがそう言ってくるなんて思わなかったよ。余程、親しい仲なんだね」
A「はい!」
此処の旅館に来ているなら、きっと何処かでエンマとすれ違ってると思う。
だけど、エンマのことだから話し掛けるのは躊躇ってそうな気もする。
A「(それに、此処の旅館に来てた事も絶対聞いてきそうだなぁ)」
なんて考え事をしていた時、八鳳さんに頭をポンっと軽く叩かれる。
八鳳「今、大王の事考えてたでしょ?」
A「へっ?!い、いや考えてませんよ!」
八鳳「そんな狼狽えられると、逆に怪しいんだって。ほんと、Aはエンマ大王のこととなると嘘吐け無くなるよね」
私の肩に手を置いて、面白い。
A「私って、そんな分かり易いですか?」
八鳳「まぁ、そうかもね。特に相手がエンマ大王の時とかは結構分かり易いよ。何か、恋する乙女って感じ?」
A「何ですか、それ....」
笑いながらも、八鳳さんは付け足す。
八鳳「でも、ちゃんと好きなんだな〜って思えるよ。Aとエンマ大王、お互いにね」
そう言われた私は、少し恥ずかしく思っていた。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時