【98】・寝かし付け。 ページ32
『Noside』
眠そうなAの頭をポンポンと撫で、優しく寝かし付けるエンマ大王。
A「ナツメちゃん達は楽しく過ごしてた...?」
エンマ「あぁ、最後まで楽しそうにしてたぞ」
A「そっか...あの子達が楽しそうに過ごしてたなら、良かった」
頬を緩めて無邪気に笑い、安心した顔付きになった。
エンマ「お前、そういうのも気に掛けるんだな」
A「そりゃ、ナツメちゃん達も私にとっては大事なお客様だもん.....あの子達の喜ぶ顔は可愛いし」
エンマ「(大事な客か....)」
『客が第一』という考えで、今まで働いてきた彼女は何よりも客達を喜ばせ楽しませるのが好きだ。
エンマ「昔と変わらず、お人好しだな」
A「うるさい」
そんな事を言いながらも、Aはエンマ大王の胸板に顔を埋めて幼い子供のように甘える。
小さい欠伸をしてる彼女を見て、エンマ大王は思わずその可愛さで笑ってしまう。
A「何で笑ってるの....」
エンマ「いや、お前の方が猫みたいと思ったんだよ」
“猫というより子猫だな”と付け足し、笑っている。
A「もう黙ってて」
いじられて少し怒っているAは、彼を黙らせる為にキスで口を塞いだ。
エンマ「今キスされるとAことを俺は襲うかもしれないんだぞ?」
A「今のエンマは私を襲おうとしない、でしょ?私が眠ろうとしてる時とか、寝込みを襲う事なんて一度も無かった」
彼が冗談で言ってる事は初めから分かってたそう。
エンマ「Aくらいだ。俺の冗談を見抜けるのは」
A「だって彼女だもん」
イチャつく二人を見ていた猫又は、ムスッとした顔をしていた。
猫又「オレっちが居る事忘れるなニャン!!」
ソファーから飛び出した後、ベッドに居る二人の間に割って入る。
エンマ「何だよ、良いところだったのに」
猫又「あまりAに手出すニャ!」
嫉妬しているみたいの猫又に対し、Aは頭を撫でて落ち着かせる。
猫又「強引な男は嫌われるニャンよ?」
エンマ「この腹黒猫妖怪...」
この騒ぎの中、Aだけは既に眠ってしまったようで寝息を立てていた。
エンマ「(もう寝たのか.....)それで、お前は此処で寝るのか?」
猫又「イツキがAに変な事しないように見張ってるニャン」
と言いつつも、欠伸をする猫又。
エンマ「今は此奴を襲おうとか考えてねぇよ。お前も眠いなら大人しく寝てろ」
それから、仲良く川の字で寝た三人の姿は何処と無く子供を挟んで寝る夫婦(家族)に見えていた。
【99】・抑えられない欲。※軽め(R表現)→←【97】・宴の終わり。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時