【97】・宴の終わり。 ページ31
『Noside』
長いこと続いた宴も終わり、各々の部屋に戻って行く。
アキノリ「そういや、Aさん居なくない?」
トウマ「確かに....さっきまで此処に居たのにね」
ただ、ナツメだけはエンマ大王のことを見ていた。
カイラ「怪しまれてるぞ」
ナツメ「あっ、いや!怪しんでる訳じゃなくて!」
エンマ「今、Aが何処に居るかだよな?」
ナツメ「そ、それです!」
本当は少しばかり怪しんでたナツメだが、それを口にする事は無かった。
エンマ「Aは俺の部屋で休んでる」
ナツメ「休んでる....?何かあったんですか?」
不安気な顔のナツメに、エンマ大王は首を横に振って答えた。
エンマ「酒に酔ったみたいでな。此処じゃ休まらないと思って、俺の部屋を使うように言ったんだ」
ナツメ「何だ....そういう事でしたら安心です!」
安心した顔付きになり、ナツメはアキノリ達の元へと戻って行った。
カイラ「...お前は、あれだけ飲んだのに全く酔わないのだな。普段から強いのか?」
一升瓶を何個も開け、それを全て飲んだエンマ大王は全く酔ってる素振りを見せなかった。
エンマ「全く酔わない訳でも無い。Aと2人きりで飲んだ時は、俺も酔う事がある」
酔っ払った記憶は残ってる方で、後から後悔する事が多いという。
エンマ「宮殿の壁を壊した時は、ぬらりに1週間分の仕事を押し付けられたな。Aにも会えなかったから正直キツかった」
カイラ「それはお前が悪いだろう」
二人は角を曲がり、道を分かれる。
そして、エンマ大王が自分の部屋へ行こうとした直後肩に猫又が乗ってくる。
エンマ「お前は人の体に乗るの好きだよな。シンの頭とかAの膝に寝転んだりしてただろ」
猫又「こうする方が楽なんだニャン」
そのまま、猫又を連れたエンマ大王は部屋に向かって襖を開ける。
まだ少しボーッとしてるAを見て、笑みを零した。
エンマ「寝てても良かったんだぞ?」
A「1人だと寂しいから寝たくなかった....」
酔いは醒めてる様子だが、眠たそうだった。
エンマ「悪いな、1人にして」
A「ん....」
猫又をソファーに降ろし、Aの居るベッドに腰掛け彼女の額にキスをした。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時