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【70】・痛む腰に耐えながらの仕事。 ページ4

『Aside』
お客様の部屋と食事処を行ったり来たりしてる私は、ズキズキと痛む腰に耐えていた。

A「っ〜....(やっぱり痛むなぁ....)」

加減というもの全く知らない彼氏(エンマ)に、少し怒りが湧いてくる。

八鳳「A?大丈夫そう?」
A「まぁ...一応、動けますし」

気付いた八鳳さんが心配そうな顔で、私の腰を優しく摩ってくれた。

八鳳「あまり無理しないようにね」
A「はい....」

何とか腰の痛みに耐えながら、仕事をしていく。
食事処には、お腹が空いて起きてしまった猫又が机に寝っ転がって朝ご飯の大判焼きを待っている。

猫又「お腹減ったニャン....」
A「もうちょっとだけ待ってて。良い子だから、ねっ?」

頭を撫でると猫又は渋々という感じで待っていた。
時間的にも、起きてきたお客様が増えてきて朝ご飯を食べている。

A「(そろそろ、ナツメちゃん達も起きて此処に来る頃だ....)」

なんて思っていた時、丁度ナツメちゃん達が食事処へやって来た。
後ろには、エンマとカイラさんが居る。

A「おはようございます、皆様」
ナツメ「Aさん....おはようございます...」

まだ眠そうなナツメちゃんは、大きく欠伸をしながらそう言った。

アキノリ「今日もAさんは美しいですね!」
A「あ、ありがとうで良いのかな」

朝から元気なアキノリ君に、軽く微笑む。
そう話していると、いつの間にか猫又が起き上がって器用にエンマの肩へ乗る。

エンマ「猫又か、どうした?」
猫又「大判焼き欲しいニャン!」

これは流石にエンマも苦笑いして、はっきり“無い”と伝えた。

猫又「前はくれたのにニャ......ケチなイツキなんだニャン」
エンマ「本当に、我儘で食い意地の凄い猫妖怪だな。持ってないんだから、仕方無いだろ」
猫又「うるさいニャン、頑固イツキ」

終わりそうに無いので、カイラさんを個室座敷に案内しようと声を掛ける。

A「(猫妖怪って言うの変わらないんだ)カイラ様、座敷に案内しますか?」
カイラ「いや、今日はエンマ達と一緒に食べる。急に決まって悪いな」
A「全然大丈夫ですよ」

未だ言い合ってる二人に近付いて、猫又を離す。

A「ダメでしょ、猫又?イツキも困ってるし、すぐ大判焼きは出来るから」

.....あれ?

エンマ「お前...今、俺のことイツキって....」

猫又に釣られてしまい、無意識にエンマを生前の名で呼んでしまった。

【71】・嬉しかった大王様。→←【69】・揶揄い上手な先輩。



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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時

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