【92】→続き ページ26
『Aside』
暫くエンマの隣に座ってた私だが、これで本当に良いのかと不安になっていた。
A「あの....私、料理とか運んできますよ?」
エンマ「いや、そんな事しなくても良い。お前は俺の隣に居てくれ」
予想もしなかった返答に、口をポカンと開ける。
エンマ「どうした?俺、変な事言ったか?」
A「別に.....何でも無いです」
熱くなっていく顔を逸らして、ナツメちゃん達の方を見て様子を伺う。
皆は演奏を見ながらも、何やら楽しそうに話していて笑い合ってる。
A「(楽しそうで良かった)」
微笑ましいな思ってると、そっと腰を抱き寄せられて驚く間も無くエンマと距離が近くなった。
何も無かった様子で、日本酒を飲む彼が急にスーッと私の腰を撫でてきた。
A「大王様っ....!」
エンマ「お前は腰撫でられるの本当に苦手だよな」
A「知ってる筈ですよね、私が腰を撫でられるのが苦手な事くらい」
エンマ「Aの反応が可愛いから、ついな」
悪びれる様子の無いエンマは、そう言って私の腰から手を離した。
A「いい加減にしないと、『1週間お触り禁止令』出しますよ?」
エンマ「1週間は長いだろ。A、流石に冗談の度が過ぎてるぞ?」
A「....1ヶ月間。喜んで伸ばしますけど」
と言った途端、明らかに動揺したエンマ。
その姿が少し面白くて、笑えてくる。
A「冗談ですよ。お触り禁止を出したら、私の方にデメリットがあり過ぎますし」
頬を撫でると、猫みたいに擦り寄ってきた。
エンマ「お前に拒否されたら仕事も手に付かない」
A「普段からそうでしょう」
エンマ「何か言ったか」
A「いえ、何も」
ムスッとした顔を向けられるけれど、少し甘やかせばすぐ機嫌が直った様子のエンマを見て“単純だな”と心の中で思っていた。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時