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【91】・宴の始まり。 ページ25

『Aside』
漸く体を離してくれたエンマの格好を見た私は、軽く悲鳴を上げた。

A「きゃっ?!」

いつもの服と違って、温泉浴衣を着ているけれど衿を広げて着崩している。
胸元や腹筋が丸見えと言いますか....色気が凄い。

A「ちゃんと着てくださいよ!(じゃないと、目のやり場に困る....)」
エンマ「これくらいAだって慣れてる筈だろ?」
A「慣れてません!」

私の顔は熱くなっていくし、エンマ達に見られるのが恥ずかしくて両手で覆う。

ナツメ「今のAさん、すっごく可愛い!」
エンマ「ナツメに、“可愛い”って言われるのは嫌じゃ無いんだよな」
A「確かに、ナツメちゃんに可愛いと言われるのは嫌じゃ無いですけど....」

寧ろ、ちょっと嬉しい方でもある。
此処で話していてもあれだし、私達は席に座った。

エンマ「お前は俺の隣だ」

そう言われた私は、エンマに手を引かれて一番豪華な座席に連れて行かれる。
少し離れた所にカイラさんも居た。

A「(あれ...?)大王様、髪を乾かして無いんですか?」

全体的に見れば乾いてるものの、何となく見ていけば僅かに先の部分が濡れている事に気付く。

エンマ「時間が無くてな。さっき、風呂に入って来たばかりなんだ」
A「そうですか....」

日本酒を口にしながら、愉快そうな口調のエンマ。
私は何の意識もせず、彼の濡れてる髪に手を伸ばしてゆっくりと撫でる。

エンマ「まだ乾いてないんだろ、手濡れるぞ」
A「良いですよ、私は気にしません」

そのまま触り続けてると、ある疑問が思い浮かぶ。

A「いつも同じ髪型ですが、大王様は変えたりとかしないんです?」

昔と比べたら大分、髪も伸びてるけど逆立った髪型はそんなに変わっていない。

エンマ「今の髪型が一番良いんだよ。Aは、変えて欲しいとか思ってるのか?」
A「.....私も今の方が好きです」
エンマ「そうか。今の方が好き....か」

頬を緩ませたエンマは、軽く笑みを浮かべた。
周りに、カイラさんやナツメちゃん達が座ってる事を完全に忘れてる私は時間差で恥ずかしくなった。

【92】→続き→←【90】・悪戯っ子。



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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時

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