【84】・バカップルにも程がある。 ページ18
『エンマside』
昼間の時間帯に考える事じゃ無いが、Aの花嫁衣裳姿を考えただけで口角が上がる。
ぬらりひょん「大王様、良くない事を考えてますね」
カイラ「分かりやすい程ニヤけてるぞ」
二人に図星を突かれてしまった俺は、一旦考えるのを止めて表情を取り繕う。
暫くすると、ぬらりが立ち上がった。
ぬらりひょん「では、私は戻りますよ。仕事の巻物も受け取りましたし、整理しなくてはならないので」
エンマ「大変だな。休む暇無いんじゃないか?」
ぬらりひょん「誰のせいだと思ってるんですか。大体全く仕事をしない大王様が遅れる度に、私の仕事が増えるんですからね」
愚痴を言いながら、ぬらりは部屋を出て行った。
それと同時に、カイラが俺に問い掛ける。
カイラ「ずっと気になっていたんだが、お前の首筋にある赤い痕は、わざと見せにきてるのか?」
エンマ「首元は隠せないんだから仕方無いだろ」
彼奴が俺の首筋に付けてくれた噛み跡やキスマークを隠す気なんて一切無い。
普段なら、服で隠れるとこに付けられるが昨日の夜は珍しくAも積極的だった。
エンマ「(積極的なAも可愛かったな....)」
それに、Sっ気さが増してるAも結構クるというか凄く良い。
カイラ「....昼間から変な事を考えるのは止めろ」
呆れたように長い溜息をついたカイラに対して、俺はある事を言う。
エンマ「お前、あまりAに近付くな。極力、彼奴と二人きりになるなよ」
カイラ「何だ?嫉妬しているのか?」
エンマ「Aを唆す様な真似したら、お前だとしても俺は手加減しない」
昨日の事が誤解だとしても、これだけは俺も黙ってはいられなかった。
カイラ「私はAに手を出すような真似等しない。お前にしか好意を寄せないAが、私や他の奴に目移りする訳無いだろう」
“何十年も付き合っているのに、倦怠期が全く来ないお前達の間に入る隙は無い”と付け加えた。
カイラ「バカップルにも程がある。特にお前はな」
エンマ「どういう意味だよ、それ」
俺の問い掛けには答えず、カイラは外の景色を眺めているだけだった。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時