彼女は大王様に溺愛されてる『3』 (ページ17)

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【83】・己の欲に忠実。ページ17

『エンマside』
俺達は本題の話に戻る。

ぬらりひょん「どちらの花嫁衣裳を着ても、A様に似合う気はしますけどね」
エンマ「やっぱり、そうだよな」

どっちを着たとしても絶対可愛いし、彼奴に似合うと思うから悩ましい。

カイラ「A自身に選ばせるのはどうだ？それなら、お前も納得するんじゃないか」
エンマ「まだ結婚の返事も貰って無いんだぞ？それをAに聞く事は出来ない」

考えてくれていると思うが、Aの返事がどうなるか分からない。
“気長に待つ”とは言ったものの、答えをくれるまでが一番緊張してる。

ぬらりひょん「大王様でも意外と、そういうところは考えているんですね」
エンマ「意外とって何だ」
ぬらりひょん「いえ、別に」

此奴....本当に一言余計なんだよな。

カイラ「打掛は憧れの花嫁衣裳とも呼ばれる。私は、やはり華やかで豪華な打掛だな」

憧れの花嫁衣裳....ウェディングドレスみたいな感じなのか。

ぬらりひょん「打掛を着るような機会は、そうそうに無いですからね。引き振袖は、帯の模様等が絢爛な美しさがあって洋髪でも違和感ありません」
エンマ「お前、何でそこまで知ってるんだよ」
ぬらりひょん「事前に調べてあるんです。引き振袖は、身軽に動く事が出来るそうです。けれど打掛程の特別感は無いようですよ」

カイラと同じく、ぬらりも打掛の方に賛成した。

エンマ「....脱がしやすい方ってどっちだ？」

そう言った瞬間、カイラとぬらりは真顔になって俺を睨んでくる。
流石に冗談だと伝えれば、すぐ元の顔に戻った。

ぬらりひょん「折角、綺麗な姿を見られるというのに大王様は何故その様な思考になるのです」
カイラ「本当、Aのこととなると途端に阿呆らしくなるというか....己の欲に忠実だな」

呆れた顔をする二人の小言を聞いてる俺は、頭の中で結婚初夜の事を密かに考えていた。