【82】・結婚という大事な話。 ページ16
『エンマside』
ぬらりとカイラは、訝しげな顔をして腰掛けた。
エンマ「何でそんな顔してんだよ」
ぬらりひょん「珍しく、大王様が真剣な面持ちをしていたので。何かあったのですか?」
....一言余計なのは置いておき、俺は二人の向かい側に腰掛ける。
エンマ「何かあった訳じゃ無い。俺個人の話だ」
ぬらりひょん「A様の惚気話は、もう十分ですよ」
カイラ「お前の惚気話は一方的に盛り上がると、長く続くからな」
文句を言う二人は、呆れたような顔で俺を見ていた。
エンマ「惚気話じゃねぇよ。ちゃんと聞け」
俺にとって大事な話。
エンマ「Aは打掛か引き振袖......どっちが似合うって話だ」
そう言った途端、カイラは唖然とした表情をしていてぬらりに至っては目を見開いて何とも間抜けな顔をしている。
エンマ「俺、変な事言ったか?」
気が抜けたように長い溜息をつくぬらりは、俺に対しこう言った。
ぬらりひょん「大王様、話を飛ばし過ぎですよ。先ずどういう事です?何故、大王様は打掛や引き振袖に興味を持ったのですか?」
エンマ「前に話した事あるだろ。Aと結婚するのを考えてるって」
ぬらりひょん「いつものように冗談として受け取ってましたよ」
エンマ「おい。俺は真面目に相談してるんだぞ」
口調を強める俺に、カイラが問い掛ける。
カイラ「Aには言ったのか?お前が結婚したいって思っている事を」
エンマ「一応、言った」
ぬらりひょん「あの方の事ですし、大王様との結婚はまだ不安を感じているでしょうね」
確かに、『自分で良いのか不安』と言ってた。
エンマ「俺は今すぐにでも結婚したいんだけどな」
カイラ「お前が良くてもAは、まだ結婚しようか迷っているだろう」
ぬらりひょん「あまり、A様を急かさないであげてくださいね。女性にとって、祝言は人生の節目なんですから」
エンマ「分かってる。彼奴が答えをくれるまで、俺は気長に待つつもりだ」
傍に居るだけで幸せだと思える相手は、Aだけだ。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時