【80】・初々しい女の子。 ページ14
『Aside』
数分経った頃、エンマは先に部屋へと戻って行った。
私は、楽しそうに話してるナツメちゃん達の元に行き声を掛ける。
A「折角、綺麗に着飾ったんですし皆で一緒に外へ出掛けてみたらどうですか?」
ナツメ「確かに!それ良いかも!」
アキノリ「じゃあ、早速行こうぜ!」
呉服屋を出ようとした時、ナツメちゃんの足元が縺れ体が傾いた。
間一髪で近くへ駆け寄った私は、転びそうになる体を支える。
A「大丈夫ですか?怪我とかしてませんか?」
ナツメ「は、はい....大丈夫です.....」
A「それなら良かったです」
ナツメちゃんの体を起こして、着物を整える。
A「慣れない着物を着ていますし、足元には十分に気を付けてくださいね。綺麗なナツメちゃんが怪我したら大変ですし」
また何処かで転びそうになったら危ないなと思って、私はトウマ君に呼ぶ。
A「トウマ君。少しの間だけ、ナツメちゃんの体を支えてくれませんか?」
トウマ「分かりました」
ナツメ「えっ?いや、Aさん....!」
驚くナツメちゃんの元に、トウマ君が向かう。
(慌てる様子が子犬みたいで可愛かった)
A「(慌てちゃって可愛いなぁ....)」
なんて思ってる私は二人の様子を眺める。
トウマ「ナツメ、大丈夫?」
ナツメ「うん....ごめんねトウマ」
トウマ「これくらい平気だよ」
ほんのりと顔を赤くするナツメちゃんの初々しさに、自然と笑みが零れた。
アキノリ「な〜に、二人でイチャついてんだよ!」
ナツメ「べ、別にイチャついてないし!!」
アキノリ「いや、あれは完全にイチャついてた!」
そう騒ぐ二人には、慣れてる様子のトウマ君。
トウマ「ほら、二人とも。早く行こう?」
アキノリ「そうだな」
ナツメ「それじゃ、Aさん行ってきます!」
A「はい。皆様、お気を付けて」
手を振り返して、呉服屋を出た皆とは反対方向の所へ歩いて八鳳さんと一緒に仕事をする。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時