【68】・子供っぽい彼の甘え方。 ページ2
『Aside』
暫くエンマの肩に顔を埋めてた私は、小さく欠伸が出て眠気が襲う。
これ以上、彼に抱き締められてたら絶対に眠ると思いベッドから出ようとしていた。
エンマ「もう行くのか?」
まだ此処に居て欲しいのか、寂しげな顔をされる。
A「まっ、前みたいに仕事が間に合わなくなったら大変だし....」
何故か罪悪感を感じてしまった私は、中々ベッドから出られずにいる。
そして、後ろから抱き締められている状況。
(ついでに言えば、首元に顔を埋められてる)
A「(何か、エンマが子供みたいに見える)」
例えるなら、母親に甘えてる的な感じ。
数分経った頃、唐突にエンマが問い掛けた。
エンマ「今日の仕事は、いつまでだ?」
A「夕方頃だと思うけど....まだ、仕事内容を見てないから正確に何時頃とかは分からない」
基本的な仕事は通常通りの内容だけど、昨日みたいな大浴場の掃除や物の取り替え等は急に決められる。
エンマ「夜は空いてるのか」
A「そうだね...って、まさか二日連続で?!」
エンマ「違ぇよ。やりたい事があるんだ」
A「(やりたい事?何だろう)」
不思議に思っていると、不意に耳元で囁かれた。
エンマ「お前、何想像してたんだよ」
A「別に何も....」
そっと頬を撫でられて、身体が反応する。
A「もう離して...行かないと」
この場を逃げる為、仕事を言い訳に使ってエンマから離れる。
エンマ「やっても良いんだぞ」
A「え?」
エンマ「二日連続、お前を抱いてやっても」
ニヤッとした表情をして、そう言われた。
A「な、何言って...!」
エンマ「そういう事されるの期待してるだろ?」
A「してないからっ!馬鹿な事言ってないで、早く服着て!」
逃げれた私は、着物を直して髪を整える。
A「(あの体力お化けめ....)」
腰の痛みを我慢しながら、やっとの思いで従業員室に向かおうとしていた私をエンマが呼び止める。
エンマ「前みたいにキスしてくれないのか?」
A「さっき舌入れてきたから嫌」
エンマ「即答するなよ、俺が傷付く」
A「....分かった、分かったって!」
扉から引き返して、エンマの唇にキスをした。
エンマ「ありがとな、A」
お返しとしてなのか、彼もキスをしてきた。
A「(こういう時だけ、甘い声使う〜!)」
そこが狡いところでもある。
私は、エンマに見送られながら扉を開けて従業員室に向かった。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時