【7】・遊びと賭け事。 ページ9
『Aside』
襖を開けると、一番に声を上げたのは妖術師の有星君だった。
アキノリ「Aさん?!それに、エンマ様も!」
A「一緒にやってもいいですか?」
アキノリ「はい!是非!」
こうして、皆で机を囲むように座るとババ抜きが始まった。
途中経過の事、圧勝しているのはずっと大王様で負け続けているのは有星君だった。
ナツメ「ババ抜きだと、エンマ様が圧勝だね」
冷ややかな視線を有星君に向ける、お嬢さん。
アキノリ「他のトランプゲームに変える!」
ババ抜きから大富豪へと変えて、またゲームを再開する。
そして、大富豪が得意な私の圧勝だった。
トウマ「Aさん、実はやり慣れてますね」
A「はい。よく、お客様の子供達とトランプをしていました」
小学生くらいの子も、中高生くらいの子も混ぜて一緒にやっていた頃が懐かしい。
時折、親子で参加してくださったお客様も居た。
ナツメ「というか、圧勝してる2人だけでゲームをしてみたらどうですか?」
その提案に、余裕な大王様の返答がこちら。
エンマ「俺は何でもいいぞ?」
何でもいい....、ね。
A「では、ポーカーがやりたいです」
私の一番得意であるポーカーと言うと、大王様はこう付け足した。
エンマ「もし、お前が勝ったら俺は何でも言う事を聞くっていうのはどうだ?お前が負けた場合は、俺の言う事を聞いてもらう」
A「.....賭け事ですか」
躊躇う気持ちもあったけど、それよりも大王様に一度勝ってみたいという思いが優先になる。
A「良いですよ、その条件でやりましょうか」
このゲーム、絶対に負けられない。
....なんて思って本気で挑んだ私だが、あっさり大王様に負け続けてしまった。
ナツメ「容赦無いエンマ様.....」
トウマ「手加減の微塵も無いね....」
本気で挑んでいた自分が、今になってとっても恥ずかしい。
A「(こういう結果になるって、頭の隅では分かっていたのに....!)」
俯いたまま、大王様を睨んでいるとお嬢さんの温泉浴衣が着崩れているのに気付く。
このまま立ったら、さらに崩れてしまうと思い私の羽織を着せてから小さい声で話し掛ける。
A「お嬢さん。ちょっとだけ、別のお部屋に行きましょうか」
ナツメ「?」
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時