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【48】・眠気を誘う声。 ページ50

『Aside』
アキノリ君達の部屋に戻ると、既に猫又はスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。

ナツメ「可愛い〜!眠ってる!」

しかも、エンマに抱えられたまま。

A「いつ頃に眠ってました?」
エンマ「お前達が出た後、すぐに眠ってたぞ。此奴、急に反応しなくなるから焦った」
A「多分...皆に構ってもらえてましたし、疲れちゃったんだと思います」

撫でてる途中や遊んでる途中で、猫又が力尽きるのは良く起こる事。

A「そろそろ、ナツメちゃん達も寝た方が良い時間だよ」

昨日よりは早めだけど、アキノリ君が眠そうにしているし布団も敷いてある。

トウマ「Aさん。デザート作ってくれて、ありがとうございました」

律儀だなぁ、トウマ君。

A「お礼なんて良いよ。美味しそうに食べてくれただけで、こっちは嬉しいんだから」

電気は自分達で消すと言って、トウマ君は今にも寝落ちてしまいそうなアキノリ君を布団がある所へ連れて行った。

A「おやすみ。トウマ君、アキノリ君」
トウマ「おやすみなさい」

布団に入ったアキノリ君は、もう寝てしまっていた。
そして、ナツメちゃんを部屋まで送り届ける。

ナツメ「Aさんの声って不思議ですよね。何か寝る時になると、めっちゃ眠気誘われます」
A「それ、別のお客様にも言われた事あるよ。私は意識して、やってる訳じゃないのに」

逆に新人の子達から、“眠くなるので強めに言ってください”とか言われた事がある。
私の声って変なのかと思ってると、ナツメちゃんが少し間を空けて言ってきた。

ナツメ「やっぱり、エンマ様とAさんはお似合いですよ」

本気で言っている様な口振りだった。
さっきの件で関係がバレたとは言え、ナツメちゃんの真面目なトーンを聞いて僅かに動揺する。

エンマ「だってよ、A」
A「(もう....この人は、すぐ調子乗る....)」

また嬉しそうにするエンマを余所に、ナツメちゃんはこう続けた。

ナツメ「Aさん、本気でエンマ様のこと」

話を遮って、ナツメちゃんと目線を合わせる。

A「お願いだから言わないで....ね?」

此処で言われると、流石に恥ずかしい。

ナツメ「分かってますよ。これは秘密、ですからね」

部屋に着いたナツメちゃんは、小さく手を振った。

ナツメ「おやすみなさい」
A「うん、おやすみ」

手を振り返して、部屋に入っていく後ろ姿を見ていた。

この小説の続きへ→←【47】・麗人な彼女達。



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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時

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