【47】・麗人な彼女達。 ページ49
『ナツメside』
そんな話をしていると、調理場みたいな所へ着いて流し台に居るキッチンスタッフにデザートプレート皿を渡した。
ナツメ「そういえば、Aさんって此処の旅館に来て何年くらい経つんですか?」
アキノリ達の部屋に戻ってる途中、私はAさんに問い掛ける。
A「ざっくり言うと、この旅館に来て六十年経つよ。それまでは、神様の手伝いとかをして暮らしてたんだ」
ナツメ「六十年?!」
となると、Aさんの年齢って一体....
ナツメ「し、失礼ですけど...Aさんは何歳なんですか...?」
A「90歳になるかな。人間として生きてた頃と合わせると、100歳以上?」
エンマ様も同じ年齢なんだと思うと、自分の目を疑う。
見た目だけで言えば、超若いなと思ってしまう。
ナツメ「(美男美女過ぎじゃない?初見の人だったら、年齢疑うレベルだよ....)な、長生きですね」
“妖怪だからね”と言って、Aさんは微笑んだ。
その時、私達の背後から声がした。
「A、宿帳と報告書の資料を渡しておく」
ラベンダーアッシュ色の髪が特徴的な女の人。
A「あ、八鳳さん!すみません、ありがとうございます」
女の人から、宿帳と何個かの報告書を受け取った。
八鳳「君がAのお気に入りな子〜?私は、八鳳。この旅館で、受け付けとか裏方みたいな仕事してるの」
ナツメ「(わぁ...イケメン....!)わ、私は天野ナツメです!あの〜、距離が近いんじゃないですか....?」
八鳳「ごめんごめん。人間の子共とか滅多に見ないからさ」
ハーブ系の香水を付けてるのか分からないけど、いい匂いした。
A「ナツメちゃんを困らせないでください!」
八鳳「はいはい、ごめんって言ってるでしょ〜?それとも、距離が近いからって嫉妬した?」
A「違いますよ!」
綺麗で可愛くて癒し系なAさんと、凛々しくて格好良い八鳳さんに挟まれてる私。
2人とも、ご尊顔過ぎませんか。
八鳳「じゃ、私はここら辺でお暇するね。裏方の仕事を手伝いに行かなきゃ」
私とAさんの頭を軽く撫でると、八鳳さんは行ってしまった。
A「グイグイくるタイプだけど、根は優しくて良い人なんだよ」
八鳳さんに撫でられて、喜んでいる様子のAさんだった。
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時