【46】・恋話。 ページ48
『ナツメside』
部屋を出て、Aさんの後について行く。
ナツメ「気になったんですけど、エンマ様ってAさんの前だと表情豊かになるというか。いつもより、口数が多くなりますよね」
本当に、飼い主と猫みたいに見える。
A「そうなの?」
ナツメ「えっ、そうなのって....Aさんも気付いてなかったんですか?!」
A「いつもの事だから、あれが大王様の普通なんだと思ってた」
ナツメ「(全く違うんです....)」
あんなコロコロと表情を変えたり、今まで見た事も無い笑顔を見せたり、自ら女の人に距離を詰めたりだとか。(←これは、Aさんだけに限る)
全然、私が見てきたエンマ様とは違う。
ナツメ「きっと、エンマ様にとってAさんの存在はそれ程大きいと思いますよ。大切にしたいって伝わってきますもん」
A「だと良いんだけどね」
一瞬、琥珀色の瞳が揺らいだ。
A「ナツメちゃんって、大王様と私の関係とかもう分かっちゃった?」
ナツメ「何となく分かってました。浴衣直してくれた時、明らかにエンマ様と恋人の距離でしたし」
A「あの時そんなに近かったの....?」
この反応だと、今気付いたのか。
ナツメ「めちゃめちゃ近かったですよ?2人の世界に入ってて、私の存在消されたのかと思いました」
A「ご、ごめん」
申し訳無さそうな口調のAさん。
ナツメ「それで、エンマ様のどこが好きなんですか?」
A「う〜ん....優しくて頼りになるし、何か困った事があったらすぐ来てくれるところが好きだよ。あと、やると言ったらやる性格で決めた事を曲げないところかなぁ」
そう言うAさんの顔からして、本気でエンマ様のことが好きなんだなと感じた。
A「今の事は、私達だけの秘密ね?」
口元に指先を当てて、内緒のポーズをした。
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時