彼女は大王様に溺愛されてる (ページ47)

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【45】・喧嘩するほど仲が良い。ページ47

『ナツメside』
何か色々あったけど、猫又はエンマ様の腕に居るし両方とも互いに信頼....してるっぽい。

ナツメ「(Aさんも慣れてる感じだったし、皆仲良いんだ)」

そんな事を考えていると、静かにAさんがデザートプレート皿を片付け始めた。
私以外の人達は気付いてないみたい。

ナツメ「手伝いますよ、Aさん」

そっと近くに行って、私も片付けの手伝いをする。

A「それじゃあ、こっちの方を持って貰っても大丈夫そう？」
ナツメ「大丈夫です！」

部屋を出ようとした瞬間、Aさんは立ち止まってエンマ様に声を掛ける。

A「アキノリ君達と猫又を見ててくださいね」
エンマ「あぁ、分かった。それと、一応言っておくが俺も客だからな？お前だから、別に気にしねぇけど」
A「この部屋に残っている中で、大人なのは大王様だけでしょう？年下の子供を見守るのは、大人の役目なんじゃないですか？」

ド正論を言われて、言葉を詰まらたエンマ様が結局折れた。

ナツメ「Aさん凄い....」
A「凄くなんかないって」

なんて否定しているけど、普通に妖魔界の大王に対してここまで言えるのはAさんぐらいしか居ないと思う。

エンマ「怒ると鬼みたいに怖いぞ、Aは」

いや、さっきの事で十分過ぎるくらい分かりましたよ。
どちらかと言うと、私的にはエンマ様の方が怖かったけど。

A「次に余計な事言ったら、ぬらりひょんさん呼んで来ますから」
エンマ「どうして、ぬらりが出てくるんだよ」
A「“何か大王様の事で困ったら私に”と、言っていたので」

キッパリと言い切ったAさんは、私の方に振り向いて微笑んだ。

A「行こうか、ナツメちゃん」
ナツメ「は、はい」

切り替えの速さにも驚いたけど、Aさん達の仲の良さが窺えた。
多分、喧嘩するほど仲が良いって事だろう。