【37】・終わらせた仕事。 ページ39
『Noside』
アキノリ達の部屋に行き、襖を開けると何個かの巻物を整理してるエンマ大王の側近{ぬらりひょん}が居た。
エンマ「ぬらり、俺に用か?」
声を掛けると、手を止めて立ち上がる。
ぬらりひょん「今まで何処行ってたんですか」
エンマ「出掛けてただけだ。お前は何しに来たんだよ」
ぬらりひょん「ちゃんと仕事をやっているか見に来たんです。いつもサボっていますからね」
“仕事”と聞いて、少し不機嫌になるエンマ大王だが
指を鳴らすと彼の手元には巻物があった。
エンマ「これの事だろ?もう終わらせた」
疑心暗鬼に思いながら、巻物を捲ると確かに終わらせていた。
ぬらりひょん「大王様、何かあったんですか?私が言う前に終わらせるなんて....明日は嵐でも来るんですかね」
エンマ「俺を何だと思ってんだ、お前は」
そして、2人はこの部屋を出て廊下で話す事をナツメ達に伝えた。
ナツメ「あ、あの!Aさんが何処に居るか分かりますか?」
エンマ「Aなら自分の部屋に居ると思うぞ。その内、此処に来てくれる」
三人に微笑んで、ぬらりひょんと一緒に部屋を出た。
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ぬらりひょん「先程から思ってましたが、いつもより機嫌が良いですね。A様と出掛けてたんですか?」
エンマ「よく分かったな」
ぬらりひょん「分かりますよ。そんな顔に出やすい相手、A様くらいしか居ませんし」
“本当、あの方のことを愛してるんですね”と口にしたぬらりひょんに対してエンマ大王は得意げに返す。
エンマ「当たり前だろ。Aは、誰よりも大切な奴なんだよ」
ぬらりひょん「珍しいですね、そんな事を大王様が言うとは思いませんでしたよ。やっぱり、明日は嵐が来るんじゃないですか?」
エンマ「だから、お前は俺を何だと思ってるんだ?」
ムッとした表情を向けるエンマ大王を無視して、話を続けるぬらりひょん。
ぬらりひょん「まだ残ってる仕事あるんですから、しっかりやってくださいよ」
軽い返事を返したエンマ大王は、話を切り上げてその場を離れた。
ぬらりひょん「(全く....困った大王様だ)」
小さく溜息をついて、渡された巻物を持って閻魔屋敷へと戻って行った。
【38】・互いに求め合う。※軽め(R表現)→←【36】・ご機嫌な大王様。
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時