【36】・ご機嫌な大王様。 ページ38
『ナツメside』
部屋でテレビを見ていた私達は今、ある理由でエンマ様を探しに歩き回っていた。
トウマ「何処にも居ないね」
ナツメ「もしかして、出掛けてる?」
頭を抱える私とトウマに対して、アキノリが急に大きい声を出す。
アキノリ「あ〜!!」
ナツメ「大きな声出していきなり何....」
トウマ「アキノリ、どうしたの?」
暫く放心状態になり、私はアキノリの背中を叩く。
ナツメ「早く言いなさいよ」
アキノリ「痛った!強く叩き過ぎだ!」
私の方に振り返って、めっちゃキレてきた。
そんな強くやってないんだけどなぁ....まぁ、いっか。
ナツメ「それで、何に気付いたの?」
気を取り直して、話に戻る。
アキノリ「(無視かよ....)いや、Aさんも見かけないなって思ったんだよ」
ナツメ「....確かに、そうかも」
トウマ「仕事で忙しいんじゃないかな?」
アキノリ「俺達が昼ご飯食べに行った時、食事処にAさん居なかったんだ。ちょっと探しに行ったけど、見つからなくて」
ふと思い出してみると、アキノリの言っている通りAさんを見かけなかった。
ナツメ「まぁ、とにかく!エンマ様を見つけて、Aさんの居場所を知ってれば聞こ!」
トウマ「そうだね、今はそうした方がいい」
なんて話していると、背後に物凄い妖力を感じる。
「俺に用があるのか?」
声の主は、私達が探してる本人様だった。
ナツメ、アキノリ「エンマ様?!」
驚く私とアキノリを余所に、冷静なトウマが問い掛ける。
トウマ「何処にも見当たらなかったですけど、もしかして外に行ってたんですか?」
エンマ「あぁ、少し出掛けててな」
私の勘違い....かもしれないけど、何かエンマ様がいつもより機嫌良い気がする。
ナツメ「(明らかにAさん関連だ、絶対そう)」
気になるけど、ここは抑えておかないと。
エンマ「それで、お前達は何で俺を探しに来たんだ?」
ナツメ「え〜っと....」
事の経緯を話して、探していた理由も一応言っておく。
話を聞いて納得したエンマ様は、私達と一緒に部屋へ行った。
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時