【31】・青の薔薇とカサブランカ。 ページ33
『Aside』
カフェを出て、また行き先も決めずにフラフラと2人で歩いていた。
エンマ「まだキスの事怒ってるのか?」
A「怒ってないけど!いきなりするのも、他のお客さんが居る前でキスをしてくるのも驚くし恥ずかしいからやめて!」
エンマ「やっぱ怒ってんじゃねぇか」
私が怒ってる原因は彼なのに。
A「エンマのせいなんだから!」
エンマ「それは悪いと思ってる。だけど、怒り方も全く変わってないんだな」
そっと手を繋がれ、私に微笑みかける。
エンマ「キスされるのは嫌って訳じゃないだろ。寧ろ、俺とのキスは好きな方だもんな?」
一枚上手なエンマに何も言えず、私は繋がれた手をギュッと握る。
A「....ほんとにバカ」
それを照れ隠しだと知ってるエンマは、フッと笑って距離を縮めてきた。
色々なお店を見ていた時、目の前に懐かしい妖怪(座敷童子)が出てきた。
座敷童子「やぁ、久々だね。君達に会うのは、何十年も経つのかな」
無駄に決めポーズをしながら。
エンマ「何の用だ?座敷童子」
座敷童子「大した用は無いさ。ただ、これを渡したくて」
私に差し出したのは、青色の薔薇とカサブランカの花束だった。
A「どうして花束を....」
座敷童子「今なら絶好のタイミングだと思ってね。花言葉も君達にピッタリだよ」
座敷童子が青色の薔薇とカサブランカの花言葉を教えてくれた。
青色の薔薇
『夢が叶う・奇跡・神の祝福』
カサブランカ(白)
『純粋・祝福・高貴』
座敷童子「それと、カサブランカは“ウェディングブーケ”にも使われてるそうだよ。勿論、お祝い事にもね」
急にそんな事を言ってきて、思考停止する。
A「(ウェディング....?つまり、結婚?)」
隣に居るエンマに目を向けると、顔を逸らしていたけど少し赤くなってるのが見えた。
座敷童子「それじゃあ、僕は行くね」
A「ま、待って!何でこれを渡したの....?」
座敷童子「僕から君達への祝福だよ」
それだけ言って、手鏡で髪を直した後に何処かへ行ってしまった。
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時