【28】→続き ページ30
『Aside』
猫又の事で、ある事を思い出した私は恐る恐るエンマに聞いてみた。
A「あの名前で呼ばれて平気だった？私の他に、ナツメちゃん達も居たから....」
すると、私の言いたい事が分かった様子で軽く答えた。
エンマ「昨日の事だろ？俺は気にしてないし、寧ろ懐かしいと思ってたんだよ」
そういう事を言うのは珍しいなとは思いつつ、彼の話を聞いていた。
エンマ「たまには、昔の名前で呼ばれんのも悪くないな。1回、Aにもあの頃の名前で呼ばれたい」
期待の眼差しを向けられ、嫌とは言えなかった。
仕方ないと思い、やってみる事に。
A「好きだよ、イツキ」
おまけで、エンマの頬にキスしてみた。
恥ずかしくて目逸らしちゃったけど、当の本人は全く反応が無い。
A「(ん？あれ....？)今の変だった？」
ちょっとショックを受けながら、顔を見ると
A「嘘、顔真っ赤だよ?!」
今までに無い程、顔が真っ赤だし隠すように顔を片手で覆っていた。
エンマ「あんまり見るな....」
A「そう言われても、照れてるエンマなんか滅多に見れないんだから顔逸らさないでよ」
顔を見ようとしても避けられるし、一向に手を退けてくれない。
A「ちょっとぐらい見したって良いのに」
なんて言葉を口にした瞬間、エンマに優しく頬を抓まれてキスされる。
エンマ「悪戯が過ぎるぞ、A？」
笑っているけど、その表情から少し怒っているのが分かった。
A「分かってる。もうやらないって」
でも、エンマだって私にああいう事してくるくせにとか自分だけ狡いと心の中で彼に反論していた。
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作者名：カナミ | 作成日時：2023年11月17日 1時
