【24】・女神のような人(妖怪)。 ページ26
『ナツメside』
その様子を暫く見ていると、話し終わったAさんが私達に気付いて来てくれた。
A「何かありましたか?」
ナツメ「あっ、いえ!暇になっちゃったから、館内を見て回ってるんです!広いし、色んなお店があって見て回るのが楽しく思いますよ!」
A「そうでしたか」
そう言って、Aさんは笑みを浮かべた。
ナツメ「(ほんとに可愛いなぁ....)」
女神みたいな笑顔に見惚れていると、Aさんは何か思い出したようにある事を聞いてくる。
A「メロンタルト....どうでしたか?」
何処と無く、自信無さげな口調だった。
ナツメ「凄く美味しかったです!!食べるのが惜しくなるくらい見た目が綺麗で、味も最高でした!作ってくれてありがとうございます!」
A「それなら良かったです。ナツメちゃんの口に合うかどうか不安だったので」
ナツメ「甘さも程々で、何よりメロンの味が引き立ってましたよ!」
安心した表情を見せるAさんに、私はさっきの事を言った。
ナツメ「あの、今度はアキノリ達の分も作ってくれませんか?勿論、Aさんが作れる時にで良いんですけど....」
A「全然良いですよ。丁度、アキノリ君やトウマ君にも聞こうと思ってましたから」
名前を呼んでもらえたアキノリは、小さくガッツポーズをしていた。
トウマ「僕は何でも良いですよ。Aさんの得意なのを作ってください」
アキノリ「お、俺も何でも良いです!Aさんの作ってくれたものなら、俺は全部食べます!」
気持ちが高ぶってるアキノリに、私はちょっと引いていた。
A「承知致しました。出来たら、お部屋に持っていきますね」
ナツメ「はい!」
なんて話していると、仲居さんがAさんの肩をトントンと叩いた。
仲居「予約した老夫婦からのご指名ですって」
A「分かりました。すぐ行きます」
一瞬で切り替えて、仲居さんから宿帳を受け取った。
ナツメ「お仕事中に引き止めちゃってごめんなさい....」
A「良いんですよ、お客様とこうやって話すのも務めですから」
お辞儀をして、仲居さんと共に玄関の方まで向かったAさん。
アキノリ「ご指名とか言ってたけど、Aさんってめちゃくちゃ人気なんだな」
ナツメ「そりゃあ、若女将ってくらいだし」
一通り、館内も見て回って暇潰し出来た私達は部屋に戻ってゆっくり過ごしていた。
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時