検索窓
今日:55 hit、昨日:49 hit、合計:16,420 hit

【18】・揶揄われるのは毎回の事。 ページ20

『Aside』
従業員室で仕事内容を確認していると、何か物凄い視線を感じて振り返る。

A「な、何ですか.....?」

後ろに居たのは、女将さんと数人の仲居さん達。

女将「Aちゃん、大王様とラブラブね〜」
A「えっ?!」
仲居1「本当よね、昨夜も部屋に戻って来てなかったみたいだし....若いって良いわね〜」
仲居2「あの大王様ですら、Aちゃんが来た途端に分かりやすく嬉しそうにするのよ?」
A「や、やめてくださいよ皆さん!」

この温泉旅館で働く従業員にも、それぞれ部屋がある。そこに居る時は、部屋の鍵を開けとけなければならない。
(居ない時は、鍵を閉めて従業員室のウォールフックに掛けておく)

女将「昨夜は、どんなことをしたのかしらねぇ」
A「お願いですから、もう勘弁してください!」

このままじゃ、恥ずかしくて仕事どころじゃない。
そう思っていた時、女将さん達の後ろの方から誰か出て来た。

八鳳「程々にしないと、その内Aが恥ずかしさで仕事が出来なくなりますよ」
A「八鳳さん!」

ラベンダーアッシュの髪色と、キリッとしたつり目が特徴的な人(妖怪)だ。
年上で、とても優しくて頼れる存在。

八鳳「おはよ、A」
A「おはようございます!」

不器用な手付きで頭を撫でられる。

A「こんな時間に八鳳さんが来るのは、珍しいですね。いつもだったら、誰よりも早く来てすぐ受け付けの所に行っちゃうじゃないですか」
八鳳「忘れ物しちゃったから、取りに来たんだ。丁度、Aにも会えたし一緒に行く?」
A「はい!」

私は、八鳳さんと従業員室を出て仕事場に向かう。

A「私とエン....大王様のそういう話を聞いて、女将さん達は嬉しいんでしょうかね.....」
八鳳「まぁ、なんたってAは旅館の看板娘だし女将さん達にとって“可愛くて大事な子”っていう感じなんだろうね。あとは、若い子の恋愛を知りたいとか?」
A「でも、質問の遠慮が無いです」
八鳳「それは言えてる」

そんな事を話しながら、一緒に歩いていた。

八鳳「言い忘れてたけど、今日は首を隠してた方が良さそうだよ」
A「えっ?どうしてですか?」
八鳳「エンマ大王が付けたキスマークと噛み跡が見えるから。あの人、結構独占欲強いんだね」

急いで首を隠して、熱くなった顔を手で扇ぐ私は八鳳さんからも少し揶揄われた。

【19】・やっぱり友人には見えない。→←【17】→続き



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。