【12】・彼に甘やかされる一時。 ページ14
『Aside』
そして、この雰囲気に流される感じでベッドへ連れて行かれた私は上機嫌な大王様から存分に甘やかされていた。
A「あの、大王様....」
“もう充分”と言いかけた時、何故か抱き締める力を強くして私の顔を自分の方に向かせた。
エンマ「....大王様じゃなくて、いつもみたいに名前で俺のこと呼べよ」
拗ねている様子で、私のことを見つめてくる彼があまりにも可愛いものだから。
A「ごめんね、エンマ。中々、仕事中に使う口調と普段の口調を変えるのが難しくて」
頬に手を添えて、唇にキスをするとさっきまで拗ねていたエンマの表情が元に戻る。
その後も、ベッドの上で談笑しながら甘えたり甘えられたりな時間を過ごしていると
エンマ「そういや、まだ言われて無かったよな。あの勝負で勝ったら、何でも言う事を聞く条件のやつ」
トランプ(ポーカー)の条件で付けた賭け事の話になった。
A「でも、私は1回だけしか勝ってないよ?ほぼ、エンマは連続で勝ってたんだし私の方が言う事を聞くんじゃないの?」
1回だけだけど、それは彼が手を抜いたから。
私的には、本気でやって勝った方が何かやり遂げた感があって嬉しいんだけどね。
エンマ「1回でも勝ってんだろ。それと、俺は ゙連続で勝ったら゙なんて一言も言ってねぇぞ」
驚いている私に対して、“まぁ、お前がどうしても聞きたいんなら俺も言うけどな?”と言って彼は微笑んだ。
A「何でもいいの?」
エンマ「あぁ」
何分か悩んだ末、私のしたい事が決まった。
A「明日の仕事は午前中までだから、久々にデートがしたいかな」
エンマ「それだけか?別に、遠慮しなくても良いんだぞ?」
不思議そうに尋ねてきたエンマに、私は口元を緩ませて答える。
A「遠慮なんてしてないよ」
お互いに忙しくて、二人でゆっくりと外に出掛ける機会が少なかった。
A「私は、それだけで嬉しいよ。デートに行く時は、毎回楽しみにしてるから」
【13】♡据え膳食わぬは男の恥。→←【11】・慣れないこと。※軽め(R表現)
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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時