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悠くんのインタビューが終わり、一緒に楽屋に向かうとき、今日2度目。TRIGGERの九条さんとばったり会った。悠くんに、「挨拶して」とばかりに肘でつつくと「…お、はようございます」と言った。



「おはようございます」


「撮影、頑張ってください」



そう社交辞令をして、さっさと退散しようと思った時「鳳田さん」と話しかけられた。



「は、はい」


「……髪、伸びましたね」


「おかげさまで、はは」


「楽も龍も言ってました。それと、亥清悠」


「もうキミたちはれっきとしたアイドルだ。ファンや彼女に、恥をかかせるようなことはしてはいけない」


「…恥?」


「もしかしてキミたち、知らないの?」


「あーいいんです九条さん!これがマネージャーの仕事なので」


「ダメでしょう。彼らを甘やかしているのと同じだ」



いつの間にか敬語も外れて険しい顔で私をみる九条さん。あまりあの4人に負担はかけたくないため、この話題を避けようとしたのだが、彼の言っていることは正しい。



「いい?彼女は、ボクらが八乙女事務所から降板したその日に、雨の中膝をついて謝りにきた。」


「っえ…」


「九条さん」


「髪を切ったのも知っているはず。女性が髪を切って、男に膝と頭を床につける。それが彼女にとってどういう屈辱か」


「だけど、キミたちは成長した。あの頃に比べたら。それは、彼女のおかげとも考えるべきだ」


「…本当にいいマネージャーを持ったと思う。彼女の顔に泥を塗るのがどういうことか、これからは自覚して行動した方がいい」


「九条さん、的確なアドバイスありがとうございます。この辺で失礼させてもらいます」



このままじゃ悠くんのメンタルに余計な負担がかかる、と感じ、彼に一礼し、その場を立ち去ることにした。



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作者名:ミズキ | 作成日時:2020年1月18日 19時

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