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「お、えぇっ…うぇっ」



何で風邪ごときでこんな目に合うのか。高校生だった時もそうだった。千や万理、百くんや百くんのお姉ちゃんに面倒されて。迷惑かけたなあ。

気分が悪かったため、朝から何も食べずに天井をずっと見続けていたら、急に吐き気を覚えたため、フラフラしながらトイレに行った。



「(辛…しんどい…)」



もう1回気持ち悪くなって「っおえ…」と吐く。その後少しボーッとしているとマシになってきたため、トイレに流して、台所に行き、水道水を飲む。少し歩くだけでキツい。息が荒くなる。

ベッドに戻り、百くんのお姉ちゃんにお願いしようか迷っているとき、玄関の方からガチャ、とドアが開く音がした。



「A、大丈夫か…?」


「ト、ウマくん…?」


「A、だから言っただろ。俺が世話係を呼ぶって」


「ちょ、大丈夫!?A、換気するからね」


「Aさん、何か食べましたか?それと熱は?」



何でここにいるのだろう。と思いながらも棗くんに「朝から食べてない。さっき吐いちゃった…熱は朝は38.9だった」と言う。するとトウマくんが「食べてなかったら余計ダメじゃん!」と言う。



「伝染るよ、私は大丈夫だから」


「大丈夫じゃないよ、ほらゼリー買ってきたけど食べる?とりあえず何か食べて」


「御堂さん、おかゆを作るので手伝ってくれませんか?」


「任せろ」


「A、顔とか身体拭くぞ〜」



悠くんにゼリーを口の中に入れられる。あ、これ、昔も食べさせられた味だ、と思いながら咀嚼する。身体が熱いため、少し心地いい。



「Re:valeの言う通りだ…A、いつも風邪でこんななるの?」


「うん…」


「A、顔拭くからこっち向け」


「ぅえ」



トウマくんの方に顔を向けると、少し強めでタオルで顔を拭かれる。その後は腕、脚、首。何だかお母さんみたいだ。



「A、ゼリーまだ食べれる?」


「食べれる…ありがとう」



この4人に世話されるのは何となく心地よくて。今までこんなに世話を焼かれたことがなかったから、自分で何でも出来ると思ってた。身体がすっきりし、気分もよくなった。



「仕事大丈夫だった…?」


「まあ、寂しかったけどな」


「そ…ならよかった」



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作者名:ミズキ | 作成日時:2020年1月18日 19時

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