小話6 ページ12
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結成して少し経ったころくらいのお話になります。
トウマside
「マネージャーなんだから口出しすんなよ…」
「マネージャーだから口出ししてんでしょ」
「ま、まあ落ち着けよ…」
「トウマ / トウマくん は黙ってて」
「はい…」
ハルとAが喧嘩した。理由はTRIGGERのことについて。俺たちはそこまで仲良いってわけじゃねえけど、ハルもミナもトラもTRIGGERを潰せて機嫌が良かった。
「私はŹOOĻのやり方とか意思を否定しようとは思わないけど、今回はダメ」
「なにがだよ。アイツらだって」
「アンタがどれだけTRIGGERのこと嫌いでも、再起不能になるまでする必要なかった。違う?アンタはTRIGGERに何を思ってるの?ただの八つ当たりでしょう?」
どんどんヒートアップしていくAとハル。ミナはそれに不機嫌そうに眉をひそめ、イヤホンを付け始めた。トラは何も思っていないのか、車から外をみている。
「お前には分からないだろ。俺が、どういう目に合ったか、どういう思いで歌ってんのか。…そうさ、お前はだってそんな思いしたことないから」
「……アンタ、私の何を知ってるの?」
「っ…」
「(地雷だったか…?)」
一気に車内の雰囲気が凍りつくように変わった。雨が降っているから余計悪くなったような気がする。
トラもそれを察したのか、Aの方を向いた。ルームミラーの中に移るAからの視線を感じるが、見れなかった。
「………歌えなくなったらどうすんのよ」
Aの声が震えた。か細い声だった。「お、いA…?」と声をかけると同時に、ハルが「帰る」と車から勝手に出ていった。
「おいハル!雨降ってんぞ!傘は!?」
「チッ」
Aは面倒臭そうに舌打ちをして、「ちょっと待ってて。ごめん」と言い車を降りて、ハルの向かった方へ歩いていく。
「ふん、悠も子どもだな。」
「笑ってる場合かよ…」
「あの方、あんな声も出されるんですね。面白い」
「ミナ、聞いてたのか?」
「ええ、勿論」
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作者名:ミズキ | 作成日時:2020年1月18日 19時