少女１ (ページ1)

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「おはよう、お父さん、お母さん、和幸さん。」

私は小学二年生の時、事故で両親を失った。

身寄りのない私を拾ってくれたのがお母さんのお兄さん、和幸さんだった。

和幸さんは沢山の組員を従える、龍神会の組長。

龍神会の組員の皆が私の遊び相手になってくれたり、中学生になると喧嘩を教えてくれたり、他の子とは違うが楽しく生活していた。

しかし一昨年の夏、私が中学三年生のころ和幸さんは何者かによって殺された。

私は涙が出なかった。失ったものの存在が大きすぎて、悲しい筈なのに泣くことが出来なかった。そんな時、現龍神会組長のスホオッパがずっとそばに居てくれた。

「ねぇ、オッパ。何で和幸さんが殺されなくちゃいけないの。殺すなら私を殺せばよかったのに！！」

SH「今の言葉、本気か？」

「えぇ、本気よ！私が死んで悲しむ人なんていないもの！」

その瞬間、頬がじんじんと痛んだ。

「ちょっと、何すんのよ！」

SH「お前が死んで悲しむ奴がいないだと？ふざけるのもいい加減にしろ。ここにいるだろ、お前が死んで悲しむ奴が！」

すっと、何かが緩んだ。

「うっ、ひっく。」
滝のように流れる涙。

SH「俺だけじゃない。ギョンスだって、チャニョルだってそうだ。血は繋がってなくとも、俺達は家族なんだ。ここにいる奴らはみんなお前がいなくなったら悲しむ。」

死を簡単に口にするなと言われ我に返った。

「オッパ、ごめん。」

SH「俺も叩いたりして悪かった。さぁ、おいで。」

その日の夜はオッパに抱きついて子供のように泣いた。

DH「ヌナ。」

「ヘチャン、どうかした？」

DH「ご飯できたって、ギョンスヒョンが。」

やばい、もう7時半だ。転入早々遅刻なんて印象悪すぎる。

「分かった、すぐ行く。」

DH「ヌナ、悲しいことでもあった？」

「え？」

DH「だって泣いてるから。」

しまった。無意識に泣いていた。

「何でもないよ。転校なんて初めてだから緊張しちゃって。」

DH「今はそれで許してあげるけど、何かあったらちゃんと僕に言ってね？僕はヌナの家族なんだから。」

「ありがとう、ヘチャン。」

そっとヘチャンを抱きしめる。

DH「早く行こう、漢字ヌナ。ヒョンたちが騒ぎ出すよ笑」

「そうだね笑」

外は桜が舞っていた。