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三十一話 気づいてはイケナイ ページ34

加州「これって、事件の…!」


鶴丸「まさかこんなに早く尻尾を出すとはな…」



首と胴体が離れた無惨な死体……。

私は屈んで死体の首の断面を覗いた。


一期「う…よくはっきりと見れますね、主。」

「伊達に人肉食ってないからね……」


周りにも人がいるので、今の一言はかなりボリューム小さめで返した。



「………!……あ」




私が更に首もとを観察していると、首はたしかにギザギザした跡が残っていた。


書き込み板にあった凶器【ノコギリ】と見るのは間違いはない。





しかし、それは……

人間の目線で、言うとだ。





「これ…もしかして…」


薬研「大将、なんか気づいたのか?」



薬研も私の隣に屈んだ。






薄々何となく…そうなんじゃないか、って現世に行く前から予感はしていた。




妖怪の私から見て知るかぎり、この切り方は【あいつ】しかいないのだ。



しかも一発。
犯人は誰も見ることができてない。

【人間】は見ることができてない。






【妖怪】の私は見えてる視点がある。

これを…やったのは





−−−−−−−−−−−−私の……








「…最悪だ。」



薬研「……?」



私の体から冷や汗が少しずつ吹き出てくる。

心なしか、指先も冷えてくるのを感じた。









しばらくして、人間のけーさつ達が死体の周りを囲んでいた。

私達はその場から一度離れ、一旦会議を開くことにした。



「……皆、作戦変更。」



加州「?

どうしたの?」


私は息を吸い込み、強めの声を出した。







「……皆は今から私と別行動取って。」

駄目。相手は間違いなく【あいつ】。
皆が折られる可能性があるんだから、一旦単独行動をとらなきゃ……。



私が指示を出すと、しばらく沈黙が流れた。



一期「え、そ、それは、どういう…ことですかな?」


最初に口を開いたのは、一期一振だった。


蛍丸「主一人になったら危なくない?」



口々に言う刀の中で、一際大きな声が聞こえた。





加州「は?主、何言ってるの?!ダメに決まってるじゃんそんなの。」


清光だった。



「清光……。」


加州「現世の方が危ないんでしょ?しかもあんな人斬りがいるってのに、俺達が易々主を一人にさせるなんて…」


薬研「いや、まて清光。大将は、多分犯人の目星がついてんじゃないか?」


薬研に図星をつかれ、体がこわばってしまった。

薬研「大将、なにかあるならはっきりしてくれ。」




「……。」

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作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2016年8月25日 22時

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