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十話 花冠を教えて ページ12

小夜side



「あれ…草花が、ない。」



僕が兄さま達に作ろうとしていた花冠がない。




正直、手先が不器用だから形にすらなっていないんだけど……



毎日兄さま達は、最悪な審神者のせいでいつも暗い顔をしている。



だから、少しでも何かしてあげたくて、花冠を作ろうとした。




小夜「どこいったんだろ……」




「あー、いたぁ」



小夜「!?」



バッと振り向くと、昨日の女の人がいた。



なぜ、またここに……





「となり、いーい?」



縁側に遠慮なく座るこの女の人……たしか、Aって言ってた気がする。




小夜「……何?何のよう?」




「はい、これ。」





女の人が持っていたのは



小夜「は、花冠……これ……」



「昨日、縁側に置いていったでしょ?これ、プレゼントしてみたの。どう?可愛いでしょ!」





ふわりと笑った目の前の女の人に、


一瞬、目が奪われてしまうのを感じた。




小夜「………ねぇ」



「ん?」






小夜「これ、作り方教えて。」





僕がそう言えば、女の人は一瞬目をぱちくりさせ、




「うん、いいよ!」





また無邪気に笑った。









あの嫌な審神者とは違う。






純粋な笑顔。





この人は、暖かい。





−−−−−−−−−−−−−−−−−数分後




小夜「…できた…」




「青と桃色の花が綺麗な花冠だねぇ。


これ、小夜は誰かに贈るの?」







小夜「に、兄さま達に…」





「兄さん達に贈るんだ、優しいなぁー!

私にも弟が一人いるけど、こんな事してくれないよ〜(汗)」





はぁー、とため息をつく女の人。





小夜「じゃあ……僕が作るよ。」




「え?」




正直、自分もかなり大胆な発言をしたと思う。





一番びっくりしてるのは、僕だ。





「いいの!?やったぁー!」





ぎゅっと僕の手を握り、ぶんぶんと千切れそうなほど手を振った。



小夜「腕…ちぎれる」




「あ、ごめんね(汗)


…そうだ、君のお兄さんとか、怪我したりしてない?」



急に顔色を変えるA。




小夜「…ちょっとだけ、怪我してるよ。」





「手入れはできないけど、応急処置ならできるの。よかったら、案内してくれる?」




小夜「…いいの?…」




「当たり前でしょ!怪我人はすぐに処置しなきゃ」





小夜「ありがとう……」





僕は、部屋を案内した。

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作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2016年8月25日 22時

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