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カオルさんの元で勉強することになった私は入学手続きやら住む家の手続きやらで気づけば三次試験も終了間近となっていた
「Aちゃん、朝ごはん食べたら集合場所へ行きましょうか」
私は口に含んでいたカオルさん特製の朝食を飲み込む
「集合場所って、アレですか、トリックタワーの1階ですか?」
「そうそう。一応Aちゃんて三次試験通過してるしね」
そっか、想像していたハンター試験より圧倒的に平和だったので実感ないけど通過してたのね
最後の一口を食べ終わると同時に「トリックタワー付近に到着しました」というアナウンスが流れてくる
ここまでナイスタイミングだと、気を使ってくれたのかなって思って謎に感謝してしまう
飛行船を出ると水蒸気を含んだ生ぬるい風が体にあたる
外にはネテロさんが待っていてくれた
「来たかの」
こちらを見て微笑むネテロさん
これ一緒に行く感じ?めちゃくちゃ目立つじゃん…
ただでさえ「ヤバいやつに手伝ってもらっているやつ」っていう認識がみんなにあるのに…
足を動かさない私にカオルさんが「どうしたの?気分悪い?」と聞いてくれる
行きたくない…でもカオルさんの優しさが辛い…
「一緒に行かんというのなら、お主はここで不合格となるが」
髭を触りそう脅すネテロさんには全て見透かされるらしい
「イエ、行かせてもらいます」
ここまで来たら合格したい
私はネテロさんの元へ足を進め、その後ろをカオルさんが付いてくる
「ほほ、いい心がけだ」
近所のめちゃくちゃ優しいお爺ちゃんみたいな雰囲気のネテロ
こんな見た目でも中身ヤバい奴だからこの世界はタチが悪い
中身と見た目のギャップがでかいんだよ!この世界は!
_ギギギ….
縦3m、横も厚さもなかなかある扉をファミレスの扉みたいなノリで開けるネテロさん
それに驚かないカオルさん
両者に小さな恐怖と驚愕の感情を抱く私
「さぁ、皆の衆。三次試験お疲れ様であった」
決して大声で叫んでいる訳では無いのに、ネテロさんの声は不思議と城内に響き渡る
多分たった今ここについただろう、主人公御一行様の五人と目が合う。
「めっちゃ驚いてます」って感じの彼ら(特にキルア)に苦笑しながら手を振り、私は異形の2人を探す
目立つふたりは直ぐに見つかった
私は2人に軽く会釈をするとヒソカは小さく手を振ってくれた
「…さて、ここにいるサイトウAが今回のハンター試験の最初の合格者となる」
「は」
唐突な合格発表に気の抜けた声が出てくる
待って、存じ上げてませんよ
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作者名:名無し37351号 | 作成日時:2017年4月1日 23時