事勿れ主義【イルミ】 (ページ14)

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三次試験、トリックタワー。
私はその屋上から動けずにいる。
まだ多数の受験生は床の仕掛けにきづいていない。
私は原作をだいぶ昔だけど、読んだことがあるから床の仕掛けの存在には気づいている。
床が動く場所を探せばいいんだけど、動けない、動きたくない。
先程までヒソカと一緒だったけど、なかなか動かない私に嫌気がさしたのか、多分もう次のステージへ進んだのだろう。
薄情なヤツめ。最初から期待はしてなかったけれども。
｢大丈夫？｣
イルミ、いやギタラクルが私の目線に合わせるために屈んで話しかけてくれる。
｢動きたくない｣
彼の針だらけの顔にビビりつつ本音を零す。
1年前に比べてだいぶ根性はついたと思うけどまだまだこの世界に慣れない。
｢でもここに居たら鳥に食べられるよ｣
そうだよね、と言いながら辺りを見回すと僅かではあるが人数が減ってきている。
もしかしたら鳥に食べられた人もいるかもしれない。
キルア達はもう進んだのだろう。
姿は見えない。
｢四面楚歌～｣
｢シメンソカ？｣
｢逃げ場がないってこと｣
そう言いながら地面に座ると急に床が動き出す。
｢A！｣
イルミが私に手を伸ばしてくれたけど、時すでに遅し、私は次のステージに進まざるを得なくなった。
ドンという音を立てて、腰を強打した。
｢いった～～～！｣
進んでもた～～！鳥に食べられるのも嫌だけど進みたくもなかった～～～！
くそ～！ついてない。
試験に無理やり連れてこられた時点で着いてないけど。
絶対今年厄年だろ。
痛みが収まってきて、辺りを見回す余裕が出来てきた。
白い壁に青い床。
フローリングというよりかは絨毯のような質感である。
少し前方には、白色の足に同じく白い板が乗っている、どこかの会社の会議室にあるような長机とパイプ椅子がある。
机に渋々近づくと書類が数枚おいてあった。
1番上に置いてある紙には｢これらの問題を解きなさい｣と【日本語で】書かれていた。