なんで私だけ ページ4
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流れる異様な空気。
逸らすタイミングを失った視線。
背中から溢れ出る大量の汗。(脇もすごい)
あれだけ待ち望んだ状況になったって言うのにいざ迎えたらこれだ。
とっさの判断力がないに等しすぎる。
おい、だれかスニョンを呼べ!!
「A…、さんは、まだ、掃除して、た?」
しゃっ、しゃべりかけてくれた〜〜…!!!
故障寸前のロボットみたいだけど〜!!
アルプスの青い服の彼女も、嬉しすぎて秒速で立っちゃうよ!!
「うん!まだなんだ…!ジフン、くんのこそ、こんな時間に教室で何しようとしてたの?」
「…いや、ちょっと」
「あっ、そっか……」
これは数少ない1億年に1回の降臨イベント…
選択肢をミスったかもしれない
彼の表情はみるみるうちにくもり、お前に言われる筋合いはねぇとでも言わんばかりだ。
じゃあ、俺帰ります
そう言って私の目の前を通り、自分の席の脇のフックにかけてある荷物をとる。
少しの時間、スマホをいじってヘッドホンのコードを刺そうとした彼を見た私はとっさに、
「なんで私の事、いつも、居ないみたいに扱うんですか…っ!」
とっさに、何か言わなきゃって思ったんだ。
だからってこれはないけど、口から出ちゃったんだ。
言ってしまったが最後、今までの不安や不満が言葉に変わって止まらず溢れる。
「他の子には普通にしゃべるし、話しかけられたら話すのに。挨拶だってするのに、私の時はいっつも無視するじゃん、」
怖かったんだよ、単純に。
関わりがなかった人からのあからさまな嫌悪が
「目が合っても逸らされて、手を振っても顔そむけられて、私、なんかした?」
よっぽど私の顔が必死だったのか、彼は姿勢よく私の言う言葉を聞いてくれた。
心の中の不安はとっくに無くなっていた。
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作者名:ごとう | 作成日時:2018年12月21日 3時