神隠し 雑渡side ページ7
突風に目を瞑る。
風が辺りの空気を引っ掻き回し、不自然なほどに突如ほどに一瞬にして消えた。
それと同時に、目の前にいたAちゃんの気配も消える。
雑渡(やられた……)
そう思った。
案の定、彼女の姿は忽然と消えている。
諸泉「組頭！！」
雑渡「わかってる、図られた」
尊奈門が焦りを浮かべて寄ってきた。それと同時に、陣左や陣内もこちらにやってきた。
山本「これは……！」
雑渡「彼女は逃げたりしないさ。それ以前に、私たちに気取られないように動ける技量はない」
高坂「それは存じております、しかし……」
雑渡「彼女の話は本当だったということだ。図られたんだよ、我々は」
ため息をついて辺りを見回す。もう夜になってしまっていた。
諸泉「神隠しの様ですね」
雑渡「よう、ってよりはそのものじゃないかな。神とやらは私たちに邪魔をさせる気は毛頭なく、我々を連れているのをみて彼女だけを攫った、そんなところだろう」
失敗した。
数年ぶりの大失敗だ。
彼女の話を半信半疑で聞いていたツケがここで回ってくるとは。
我々が相手にしているのは、超常のものであると言うことか。
雑渡「……陣左、尊奈門、着いてこい。学園に行き事情を説明する。陣内、押烈は本部に戻り手の空いてるものを連れてこい。
あたり一帯を隈なく探せ。
下手をすれば忍術学園との余計な火種になりかねない」
「「「はっ」」」
私は何度目かもわからないため息をつき、彼女のことを思い浮かべた。
恐らく彼女は探しても見つからない。
神仏の類が彼女を連れ去ったと言うのなら、我々が探したところで無意味というもの。
それでも、やれることはやっておこう。
.
.
.
意外にも先生方は私たちの話をすんなり信じた。話せないとすら思っていたが。
彼女が天女を殺すために我々に協力を願い出たといえば、彼らは愕然とした顔をして事情の説明を求めてきた。
彼女と出会った経緯から何まで、全て話してやると彼らは納得した様に考え込み、四年生と三年生を呼んだ。
五、六年生はいまだに味方ではないのだろう。
雑渡「彼女が天女を殺すために行った裏裏裏山で失踪した。拐われた可能性がある」
それを説明すると、三、四年生の表情は目に見えて歪む。彼女を心配しているのだろう。
彼女が何処から話を聞き入れたのか、という話は本人に聞けといえば、彼らは早々に彼女の捜索に向かった。
私も行こうかも思えば、それを呼び止める者がいた。
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柑橘 - この作品が一番好きなんです！いつか最新される日を願っています…！ (3月13日 15時) (
レス) id: 9eaae6032f (このIDを非表示/違反報告)
もち米マン(プロフ) - 更新がありますように…！(*´･ω･) (6月11日 3時) (レス) @page26 id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - 更新待機中(*・∀・)つ (5月24日 21時) (レス) @page26 id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
光陰矢のごとし(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。個人的に天女ものが大好きでこの作品を読ませていただきましたが、とても読み応えがあって、続きが気になります笑これからも更新頑張ってください！！ (2023年1月2日 22時) (レス) @page26 id: 04bb5063ad (このIDを非表示/違反報告)
にょきにょき(プロフ) - コメント失礼します。3回ほど読み返しましたが設定から内容ストーリーも新鮮で斬新でとても好きです。下級生、くのたまちゃん達が好きなので読んでいてとても嬉しい？わくわくしております！主人公ちゃんには幸せになって欲しいと思いましたね← 更新応援しております！ (2022年9月25日 9時) (レス) id: 7282b40af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉夜月 | 作成日時：2022年1月7日 1時
