#×16 ページ16
「A…………」
「っていう事だから!!…………じゃあ､あんにょん!!」
おい､あんにょん!!じゃねぇよ!!
ﾊﾞﾀﾝ
保健室のドアが完全に閉まり､ユンギ先生と2人きりっていう気まずい状況に置かれる私｡
「A…………」
「………………」
目の前にいるのは今1番会いたくなかった人｡
今1番会っちゃいけなかった人｡
「…あ､のさ､」
「さようならっ!」
ユンギ先生の言葉を遮って私は方向転換し､保健室を出る｡
「待って!!」
でもユンギ先生はそれを許してくれなくて､私の手首を掴んで引き止める｡
そんなユンギ先生から離れなきゃいけないのは分かってるけど､ユンギ先生がここで引き止めてくれるっていう期待をしている自分もいた｡
私はこの人の手を振り払った方がいい｡
違う､振り払わなきゃいけないんだ｡
「は､離して………!」
「いやだ､離さない…」
「お願いだから､離して…………っ!!」
私に期待させといてヘリちゃんと抱き着くとかしたユンギ先生が必死に私を引き止めてると思うとイラついて､ユンギ先生の手をすっごい力で振り払ってしまった｡
私が1番離したくなかった手｡
1番握って欲しかった手｡
本当ににこれがいい方法だと思う｡
「おい､Aっ…………!!」
「…うるさい!!何なの?抱き締めたりキスしたり私に色々期待させといて…………!!ヘリちゃんとハグしたくせによく私を引き留められるよね!?………もう､いいんです｡ユンギ先生｡私の事はいいから､ヘリちゃんとお幸せに｡…さようなら､」
「おい!!いい加減にしろよ!!」
「いい加減なのはそっちでs……」
振り返って､本当に最後の最後の別れを言おうとしたら､ユンギ先生に凄い力で抱き締められた｡
離さないといけないけど､話さなきゃいけないのにときめいて､私もユンギ先生の背中に手を回したくなる｡
けど回したらダメ｡
回しちゃいけない｡
回したら許されない｡
「そんな､どこにでもいるような生徒にこんな事しないでください｡」
「ねぇ､俺がAに凄い必死な理由分かる?」
「はぁ………?」
「俺がAを好きだからだよ｡」
え…………
何､今何て言った?
好き…………?
私の頭には換気扇の音しか響いていない｡
ユンギ先生の体温が熱い｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆんぱんまん | 作成日時：2018年10月27日 17時
