本丸偵察隊記録ー壱偵察隊、結成ー【薬研藤四郎】 (ページ11)

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「心を開く？総長、一体どう言う事ですか？」

　総長の言葉の意味が分からなくて、頭に沢山の疑問符を浮かべる。すると目の前の相手は頭を乱雑にかき乱しながら、少々ため息交じりに僕の方を見て話し始めた。

「俺もあそこに行った時に聞いたんだがな。あの薬研、かなりのクセ者なんだそうだ。あいつ本人のせいではないのは確かだが、色んな本丸を転々としているらしい。この間言ったように審神者を病死で失っていたり、他にもその後に属していたらしい本丸が焼失したとも聞いた。」

　そこでの先輩の話を簡単に要約すると、こうだ。彼は顕現主が運営していた本丸を離れてから、俗にいうブラック本丸にいた事もあったらしいのだ。そこでどんなことがあったか。話を聞いた限り、おおっぴらに外に話せるようなものではない事は確かだと感じた。……言える範囲で言うとすれば、精神的要因が大半だった。

　その後彼を救った役人の後輩が、今度は彼の審神者を務める事になったという。それでもそれも半月にも満たなかったらしい。

　その時遠征で丁度本丸にいなくて帰って来た所、城内がいつの間にか燃えたそうだ。それからその時の審神者とはあっておらず、彼女がいざという時の為に居場所として残していたのが、先僕らが薬研くんを迎えにいった本丸だったんだという。