標的234 ページ21
貴｢…なんだ…？｣
上につけられた豪華な電飾を見上げる。
不規則についたり消えたりするそれに、オレは違和感を覚えた。
頭に乗せていたタオルを体に巻き、湯船から上がる。
貴｢故障…か？｣
そう呟いた瞬間、オレ以外誰もいないはずの浴場に不気味な笑い声が響き始める。
まるで地獄の底から聞こえてくるようなその声に、鳥肌が立った。
周りをキョロキョロするけど、誰かの姿が見えるわけでもない。
貴(…これ、もしかして…おばけ…？)
そう気づいた途端に、震え出す体。
昔から幽霊とか怖い話とか聞くだけで眠れないほど、その手のモノが苦手なオレ。
そんなオレにとって今のこの状況は、今日のどんな戦いよりも身の危険を感じさせた。
貴(なんで暗殺部隊に幽霊なんているんだよ…！)
むしろ暗殺部隊だからか！
恨み買ってるからなのか！！
脳内でそんなことを考えながら
すくみそうになる足で立っていると、近づいてくる笑い声。
次の瞬間、バンッ！と音を立てて電気が消えた。
貴｢え、な…なに…？｣
絞り出すような声でそう言うと、目の前に髪の長い女の人が現れた。
…その顔は、真っ赤な血に染まりながらもニタニタと笑っている。
女｢恨めしや…｣
オレにずいっと顔を近づけながらそう言った女。
その長い髪がオレの顔に触れた瞬間、オレの中の緊張の糸が切れた。
貴｢……無理…｣
女｢へ？｣
貴｢…無理、無理無理無理無理無理！！！
怖いの無理ぃい！！｣
思いっきり叫びながら、手に嵌めている虹のリングに炎を灯す。
霧の炎で有幻覚のナイフを作り出し、それを雲の炎で増殖させてから女に向かって放った。
女｢え、ちょ、待っ…ゲロ！！｣
ドスドスと音を立てて刺さっていくナイフ。
痛がる素振りは見せるが、消えてくれそうにはないその女を見てオレは嵐の炎をさらに灯す。
貴｢成仏してください！！｣
巨大な嵐の炎を思いっきり幽霊に向かって放つ。
ドカーンと大きな破壊音を立てながら舞い上がった粉塵が、涙目になっているオレを包み込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 443人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女は継承式編へと突入したようです。4 【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女は継承式編へと突入したようです。2 【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女がトリップしてきたようです。10もっと見る
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっく(プロフ) - 紫苑さん» 一気読みありがとうございます！コメントもなんどもしていただけでとても嬉しかったです！たくさん続編ありすぎて逆に申し訳ないのですが、どうぞ心ゆくまでお付き合いくださりますと幸いです (2018年10月7日 22時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。 原作に少しずつ混ざるオリジナル展開が本当にお上手で、楽しませて貰ってます！ このまま一気に読み進めます！！ (2018年10月4日 11時) (レス) id: 9b01ff8233 (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - 226ページ、花村ちゃんのセリフが「敵の大将を倒したました。」になってました。久しぶりに読み返してますがやっぱりこの作品大好きです！！これからも頑張ってください！応援しています。 (2018年6月6日 12時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - スリクさん» コメントありがとうございます。次回更新土曜日の予定ですのでお楽しみに(∩´∀`∩) (2015年8月21日 13時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
スリク - 更新楽しみにしています (2015年8月21日 13時) (レス) id: d38835a4de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：・
| 作成日時：2015年5月20日 21時
