標的396 ページ10
オル「…やはり後悔しておりますか？」
貴「？」
お弁当を食べながら首をかしげるオレに、彼が尋ねる。
オル「不老不死という人類の夢であった能力を失った上に、花村様は世界の王ともなれたであろう素質を失うこととなりました。
そのことを、後悔しておられませんか。」
そう真剣な瞳で問う彼に、オレは笑って答えた。
貴「後悔が全く無いわけじゃない。
けど、オレはこれで良かったと思う。
もともと世界の王になれる力なんてオレには過ぎたものだし、必要もなかったんだから。」
後悔したのは…力を失ったことじゃなくて、
力を失ったことで自分の居場所がなくなる可能性を考えたこと。
けど、さっきの白蘭たちとのやり取りで
弱くなったオレでも『必要だ』と言ってくれたみんなのおかげで…もうそんなものはどこかに吹き飛んだ。
貴「全て失くしたのなら、また１つずつ掴み取って行くさ。
星の力に頼らずに自分の力で一流になって、オレは裏社会もマフィアも変えてやるんだ。
だから…オレは大丈夫だよ。」
彼の目を見てそうまっすぐに答えれば、彼は少し笑って答えた。
オル「なるほど…さすがの心意気ですな。
おお、そうでした。
そういえば私、花村様が目を覚ます前に復讐者たちから伝言を承っていたのですよ。」
幻「バミューダたちから？」
オル「はい。彼らは花村様にこう伝えてくれとおっしゃっていました。
『君という人間が裏社会にいるのなら、マフィアの監視を続けるのも悪くはないね。
我々はこれからも掟の番人として在り続けるよ。
君がこの暗い裏社会を照らす星となれるか、最後まで見届けよう』…と」
その言葉にくすっと笑ってオレは応えるように言った。
貴「そうか。あいつらはこれからもマフィアの秩序を守ってくれるんだな。」
オル「はい、そのようです。
…おっと、申し訳ございません。
私は用事がございますゆえ、そろそろ失礼させていただきます。」
ジル「用事だぁ？」
訝しげなジルの視線を無視して、そそくさと彼は部屋を出て行く。
その背中に向かってオレは口を開いた。
貴「…オルゲルトさん。奴らに会ったら、代わりに伝言しといてくれ。
『次会うときは、包帯だらけでも素顔でもいいからちゃんと「お前の姿」で会いに来てくれよ。』って」
その言葉に最後、振り返りながらオルゲルトさんのフリをした『バミューダ』は言った。
バミュ「…ああ、きっとまた。」
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・(プロフ) - ブーメラン星さん» コメントありがとうございます！少しずつ修正更新してますのでよければ引き続きお付き合いください！ (2021年11月1日 19時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
ブーメラン星(プロフ) - 更新めっちゃ嬉しいです！ (2021年10月31日 18時) (レス) id: fa47968adb (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - そういやちゃんと言ってないな。続編できてます！！ (2017年8月19日 0時) (レス) id: 2f2452dfbd (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» ありがとうございます！結果としてABCになりましたのでご報告をば。続編できてますのでおヒマな時にどうぞ！ (2017年8月19日 0時) (レス) id: 2f2452dfbd (このIDを非表示/違反報告)
しらす - らっくさんの作品ですから、らっくさんが良いと思う方に作品を進めていけばいいのではないでしょうかo(^▽^)o 確かに 今の題名だと略し方が分かりづらくなる ところありますね… ABCって略し方、なかなか綺麗にまとまってて私は好きです！ (2017年8月18日 6時) (レス) id: 3d84dab3ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2017年7月20日 21時
