【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女は虹の代理戦争に参戦するようです。9

標的401 ページ15

雲雀side



雲雀「小鳥たちの散歩の時間だ。
1匹でも迷子にさせたら…咬み殺すよ。」

「「はい！委員長！！」」



大量の小鳥たちを連れ、出ていった風紀委員たち。

1人になった部屋で傍らに置いてあった小説を手に取り、続きを開く。



けれど、頭に浮かぶのは小説の中の情景ではなく…花村の顔ばかり。




雲雀「…なに、この本。
全然読む気にならない。」




そう言って小説を閉じ、僕は白い天井を眺めた。




代理戦争の決着を目の当たりにしてから、僕はおかしい。

花村を見ると…ムカついてたまらなくなる。



雲雀(胸がムカムカして…イラつく。)



跳ね馬や沢田たちを見た時とは違う『怒り』
それは、夜の呪いが解かれる前までは感じなかったもの。




貴『夜の呪いは希望によって打ち消され…最後は1番大事な気持ちを思い出させるようにタルボさんと協力して仕掛けたんです。』




これが僕の1番大事な気持ち…？


代理戦争前の僕はこんな気持ちをぶら下げて生きていただろうか。


それとも…1度この胸の内から無くなったからこそ、強く意識してしまっているのだろうか。





白蘭『…君も気づいたのかな、自分の気持ち』





白いのの煽るような言葉が胸のムカムカを増幅させる。
それと同時に思い出すのは、10年後の僕の言葉。




『早く気づかないと、奪われるよ』




…それらから導き出される答えを追い求めようとして、やはり嫌になって、僕はただひたすらに目を背ける。



自分のことなんか自分が1番分かっていた。
なのになぜ…花村が関わると困惑する？



そんな自分はまるで他の草食動物たちと同じに思えて、僕の牙を折ろうとする花村が…心底憎たらしくて堪らない。



貴『…ありがとな、ツナ』



その視線を沢田に向け続ける花村。



貴『元気だな、お前たち。』



白いのたちに抱きしめられても動じない花村。





その全てが癪に触って、苛立ちは募るばかり。





雲雀(…僕の1番大事な感情は、花村のことを嫌いだってことなのか。)




いつもそうだ。
風紀を乱して、争いに巻き込まれて、自分のペースで行動して…いつも群れの中心にいるのに、僕を差し置いて最強と呼ばれる花村。



僕があいつより弱いことなんか…花村の存在なんか到底認められない。




雲雀「…退院したら容赦無く咬み殺す。」



そう決めた僕は、花村を完膚なきまでに叩き潰すことを望む。

それがきっと、この感情に折り合いをつける唯一の方法だと信じながら。

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