【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女の短編集のようです。

未来の大空へ 5 ページ45

スパン！と小気味のいい音が雲雀さんの頭から聞こえて、
オレの顔面は蒼白になる。



雲雀さんは叩かれた場所に片手を当てながら…背後のフランに向き直った。


顔は見えないけれど、彼から出る覇気がその怒りの度合いを肌に伝える。






フラン「セクハラ＋パワハラ野郎はA姉さんから離れてくださーい。

あ、今回のパワーハラスメントのパワーって権力じゃなくて暴力って意味ですからー」




雲雀「…雑魚だから見逃してやろうかと思ったけど、やはり君とはここで決着をつけるとしよう。

全力で咬み殺す。」




フラン「うわー、大の大人が子供にマジ切れですかー。

まあミーもA姉さんとの時間邪魔された上に、師匠と同列に扱われてキレてますけどー。」







まさしく 売り言葉に買い言葉。



唐突に始まる激しい戦闘にオレはワタワタと慌てる。


まだこの場に残ってリボーンさんと何かを話していたツナも、こっちの様子に気付いて慌てだした。






どうにかして２人を止めようとしていると…不意に腕を引っ張られた。




そちらのほうを向くと、そこにはほぼ初対面のスパナの姿。





スパナ「…もう少し離れないと危ない。」




差し出されたスパナ型のいちご飴を受け取り、少し距離をとるよう誘導される。




貴「え、あ、りがと…って、違う！
２人を止めねーと！！」




飴を受け取りつつも戦闘に飛び込もうとするオレを、スパナが低い声で諭す。




スパナ「火種のアンタが飛び込んでも、悪化するかアンタが困るだけだ。

『どっちを選ぶか』と聞かれても困るだろう。」



貴「…確かに。」





その言葉に納得したオレは
振り払おうとしたスパナの手に従い、２人の戦いを呆れながら観戦する。





貴(数日前に死にかけて、やっと助かった命なのに…なんですぐにそれを懸けるかな。

そんなに恋愛って大事なものか？)




そんなことを考えているオレを、スパナが見つめていることに気付く。



貴「…なに？」



問いかければ、スパナは平然とした顔で答えた。




スパナ「…さっきカエルのあいつも言っていたが、小さいアンタも今のアンタも
どちらも魅力的だな。」


貴「…え！」


スパナ「いい研究対象だ。また今度正一も呼ぶから、実験に付き合ってくれ。」


貴「…おう。」




口説かれたのかと思った途端、否定されて
オレは内心安堵の息をつく。




スパナって…過去のオレのこと婚約者とか言ってたけど
本気なのか謎なんだよな…。

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