【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女の短編集のようです。

どっちがお好き？ 7 ページ33

貴｢この髪はリボーンさんにやられたんだけど…。｣


ツナ｢あ、やっぱり…。｣




身の回りで変なことが起きたら、大概リボーンかマフィア関係だ。


だから、なんとなく察しはついていた。





貴｢オレ…みんなに見られるのが恥ずかしくて隠してたんだ。

普段男みたいなくせに、急に女の格好して馬鹿じゃないの？って笑われるのが怖くて。｣




不安そうにそう話すA。


確かに、普段男装してるAが急に女の子らしくなったらびっくりするけど…笑う人は少ないんじゃないかな。






貴｢けど、色んな人が意外と褒めてくれてさ。
『明日から男装やめれば？』って皆言うんだ。

でも…やっぱりオレは男装の方が好きで、褒められてもなんか嬉しくなくて…。｣





なんだか複雑そうな顔を浮かべるA。


さっき俺が褒めたとき喜ばなかったのはそう言う事か。







Aにとっては、男装してる自分が一番『自分らしい自分』で


でも、周りには女の格好してる方がいいって褒められて



今までの自分を否定されたような気がして





自分と周りのギャップに戸惑ってる。







貴｢ねぇ、オレはどうすればいい？
皆が言うようにもう男装辞めるべき？

…君は、どっちのオレが好きなの？｣





Aが戸惑いを隠しきれてない目で俺を見た。








俺が好きなA…。




そんなの、答えはひとつだ。







ツナ｢俺は…どっちのAも好き。｣









周りに流されないで、雲雀さんに怒られても男装してるAも



恥ずかしがりながらも、褒められたら少し照れてる女の子のAも



どっちも同じ、大切なAだから

どっちも好きに決まってるんだ。






ツナ｢えと…他人は気にしないで、自分が笑顔でいられる方を選べばいいんじゃないかな。｣




まっすぐAの方を見ながらそう言うと、少し驚いた顔をした彼女。



でも、その顔はすぐにいつもの笑顔に変わった。







貴｢…そうだよな。流されるなんてオレらしくない。


ありがと、ツナ。｣




俺の手をとってブンブン握手するA。




よかった、いつもの調子に戻ったみたいだ。






貴｢ハハ、でも君がまた可愛いって言ってくれるなら、女の子の格好もいいかもね。｣





冗談っぽくそう言ったAに、ドキッとする。







やっぱり、ずっと男装しててほしいな。

そんな可愛い姿、他の男に見せないで欲しいから。








…なんて思ったのは、内緒だ。

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