【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女の短編集のようです。

弱虫なオレの 3 ページ24

中から出てきたのは…予想どおり、10年前のツナ。





まだオレと、笑いあってくれていた頃のツナだ。






オレは涙を拭き、彼に笑いかける。




貴「久しぶり。やっと会えたね。」






花束を棺桶の傍に置き、オレは彼を抱きしめた。







ツナ「あ、あの…？」




戸惑うツナ。

そんな様子にも愛おしさがこみ上げてくる。





貴「…オレは、この瞬間のために全てを犠牲にしてきた。」







シナリオを変えないためだけに、友達も仲間も地位も捨てた。








全ては君のためだけに。









貴「…君にはたくさん謝りたいことがあるんだ。だから、死なないでね。」







いなくなったこと、撃ったこと、本当のことを黙ってたこと、手助けしなかったこと


…告白の返事をしてないこと。









全部全部謝りたいんだ。

たとえ許されなくても。









そのとき、かなり遠くから人の足音。


獄寺か…。





もうそろそろオレも入れ替わる頃だろう。


入江くんの機械を弄って
過去のオレもこの時代に留まれるようにしてある。





…これでやっと、この苦しみから解放される。









最後にもう一度、ツナを抱く腕に力を込めた。








懐かしいツナの香りと、髪の感触。


まだ触れていたいけど、もう離れなきゃ。






貴「…ツナ。オレはこれから君を惑わせるようなことをするかもしれない。

それでも信じてくれ。全て君のための行動だと。」




ツナ「…わかった。」





素直に頷いてくれたツナからオレは離れる。









さて、もうすぐ来る予定の10年前のオレよ。


これから待っているのは君にとって、辛い未来だ。








…でも、どうかこの未来を救ってほしい。








失ってしまったオレとは違って、君の守るべきものはちゃんとここにあるから。









(守ってくれよ。弱虫なオレの唯一の希望を。)

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