告白 4 ページ20
ついに言っちゃった…。
俺はAの肩から手を離し、俯きながら座り直した。
夕陽に染まる真っ赤な教室に、沈黙が広がる。
その沈黙を先に破ったのは、Aだった。
貴｢…ごめん、オレは君とは付き合えない。｣
小さな声で謝るA。
その顔には悲しそうで、苦しそうな笑みを浮かべていた。
ツナ｢あ…そ、か…。
そうだよね。こんなダメツナに告られても…｣
分かってた筈なのに、胸が痛くなる。
やばい、ちょっと泣きそうかも…。
また俯く俺に、Aが言葉を返す。
貴｢違うよ！君はもうダメツナなんかじゃない。
…それに、オレが断るのはもっと別の…。｣
そこまで言ったところで、Aは話すのをやめた。
貴｢…とにかく、ごめん。
オレは先に帰るよ。｣
荷物を持ってAが教室から出ようとする。
ツナ｢…A、俺…諦めないよ。｣
簡単に諦めきれるようなそんな軽い想いじゃない。
だから、これからも君を好きでいたいんだ。
…でも、俺のその言葉を聞いて
Aは悲しそうな顔をするだけだった。
貴｢もし、同じ世界に生まれてたら…こんな想いさせなくて済んだのにね。｣
教室のドアを出るとき、Aがそう呟いたのが聞こえた。
同じ世界…？
疑問に思いながらも、俺はそれを質問することはなかった。
これが、Aとまともに話した最後の時。
この数日後に君が消えるなんて、予想もしてなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっく(プロフ) - 香坂さん» コメントありがとうございます！URLリンクつけてないんであまり見つからない短編集をよくぞ発見してくださりました！どうぞゆっくりご覧ください(^^) (2016年11月6日 11時) (
レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
香坂 - 空いてる時間に見てたら見つけました！短編集とか俺得…！ のんびり読まさせてもらいますね(*´ω｀*) (2016年11月6日 0時) (レス) id: cc9bfb9dd8 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 未来編における10年後花村ちゃんが出るのはこれで最後です。リクありがとうございました！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 花奈さん» リクありがとうございます！では、継承式編が終わったあとの物語としてこちらに書かせていただきます。ですが、まだ本編の継承式編が終わっておりませんのでしばしお待ちくださいませ…！ (2016年10月23日 8時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
花奈 - らっくさん» ありがとうございます！！(*ﾟ▽ﾟ*)花村ちゃんとヴァリアー（特にベル）の日常のお話が読みたいです！継承式編が終わった後でも未来のことでもいいのでお願いします！！ (2016年10月22日 19時) (レス) id: dfc8978d27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2016年10月21日 17時
