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標的117 ページ30

貴「失礼します。」



テーブルから立ち、花村が少し離れて電話に応対する。




食事を終えた僕がその様子を見ていると…彼女は「えっ!?」と声を上げて目を見開いた。





貴「それで、怪我は?
…よかった。
わかった。今からそっちに向かって、オレは炎真と帰宅するよ。

うん…うん…了解。またあとで。」





ピッと通話を切った彼女がこちらに振り返り、
神妙な面持ちをしたかと思うと

彼女は今の電話の内容を僕たちに説明し始めた。





貴「えっと…継承式開催に伴って、敵対マフィアにツナとシモンのボス…炎真が狙われたみたいです。

オレは今からツナの家に向かわせてもらいますが…守護者が狙われる可能性もあるので、
気をつけてください。」



少し動揺しながらそう話す花村は、どうやら沢田綱吉たちが心配で仕方ないらしい。




…全く。マフィアのいざこざに巻き込まれるなど、迷惑な話だ。




骸「わかりました。
クロームには十分注意させましょう。

貴女も、気をつけてお帰りなさい。」




僕がそう言うと、花村はぺこりと頭を下げてから出口に駆け出し始める。





貴「ごめん…また明日ご飯持ってくるからな!」



犬「うめー飯じゃねえと食わねえかんな!!」





犬の言葉にグッと親指を立てて、花村は部屋を飛び出していく。




その背中を見送ってから…千種が口を開いた。





千種「…虹というよりは、台風のような女ですね。」



骸「クハッ…確かにそうですね。
彼女がいるだけで、この静かなヘルシーセンターも途端に騒がしくなる。」




千種の言い回しの的確さに思わず笑いながらも…先ほどの彼女の表情を思い出す。







貴『オレは…男でも女でもないですから。』








そう言った彼女の目を、僕は知っている。





それは、終わりのない人体実験を受けていた犬と千種のような…
また、両親からの愛情も関心も注がれずに生涯を終えようとしていた凪のような…





何も映さない、諦めの瞳。






骸(さて…彼女は案外とんでもない闇を抱えていそうですが
ボンゴレたちは気づけているのでしょうかね。)





僕のそんな憂いも知らず、犬と千種は残りの夕食を片付け始める。




骸(まあ…今はまだ大丈夫でしょう。
シモンとかいう新しい友人もいるようですから。)





気が抜けて、そう簡単に結論を出した僕は
クロームの体から離れるため


椅子にもたれながらそのままゆっくりと瞼を下ろした。

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らっく(プロフ) - 優さん» こちらこそ返信ありがとうございます。え、と…申し訳ないのですが去年からリクなどはお受けしておりません。作者の方から知らせがあった場合のみリクエストをお受けしております。ですが、ヴァリアーと主人公の絡みは面白いと思いますのでまた今度検討してみますね。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- ヴァリアーの特別編、お願いします! (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
- 返信ありがとうございます♪ (2016年9月13日 16時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!返信おそくなって申し訳ございません。現在7の方更新再開しましたので、どうぞ続きをお楽しみに! (2016年9月12日 17時) (レス) id: 6752a26535 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも読んでいます!更新頑張ってください♪ (2016年9月5日 21時) (レス) id: bc71943441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月29日 22時

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