【REBORN!】自由奔放すぎる男装少女は継承式編へと突入したようです。

標的41 ページ42

ツナ「え！？な、何…？」





真っ赤になる俺に、Aが楽しそうにこちらを見ながら答える。






貴「へへ、夢だったんだ！
こうやって…『友達』と仲良く買い物とか行くの。」





繋いだ手を大きく振りながらそう言ったAは、本当に嬉しそうで…




俺は『友達』という言葉に少しがっくりしながらも…自分なりに納得する。





ツナ(そういえば…A、前の世界では1人だったんだっけ。)





ユニ『大いなる力を持つ者の中には…時として、世界から疎外されてしまう人もいるのです。』





それは、未来のチョイス終了後にユニが言った言葉。





白蘭のように、自身を世界に否定されていたというAは…
きっと、誰にも心を許せずに生きてきたに違いない。





ツナ(もとから、結構抱きついてきたりするところあったし…今まで1人で生きてきた分、この世界では友達との距離感が近いのかな。)




ドキドキして汗ばむ手を見ながらそう思っていると…Aが口を開いた。




貴「…すごい。

こんな風に、誰かの隣を笑顔で歩ける日が来るなんて…前の世界では考えられなかったや。」





Aがさっきより弱く…歩くリズムに合わせて手を前後に揺らす。




その懐かしむような表情は…きっと、前の世界でのことを思い出しているに違いない。





貴「…今こうして…オレがちゃんと幸せを感じられるのは、君が頑張ってくれたからなんだよな。

…未来を救ってくれてありがとう、ツナ。」





そう言って柔らかく笑うAは、キラキラと眩しくて…



いつもと変わらないはずの町並みや風景までもが、俺の瞳に鮮やかに輝いて映る。








ツナ(…ドキドキするだけじゃない。)




目の前の子が笑っているだけで…


ただ、幸せそうにしているだけで…





全部が満たされて、世界がいつもと違って見える。






その眩しさに思わず胸が熱くなるこの感覚は

きっと…他の誰の隣でも感じることができない。









だから俺は…Aがいいんだ。









ツナ「…こちらこそ、ありがとう。」





Aにそう返事をすると、彼女はいつものようにボーイッシュな笑みを返す。








…これからも、その笑顔をずっと隣で見てたいな。









そんなことを思いながら
俺は少しの勇気を込めて、Aの柔らかく小さな手をキュッと握り返した。

標的42→←標的40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す