独り占め tngr ページ12
tn｢...はぁ？｣
顔を歪めて発したのはたったの一言だった
まるで話すのを拒絶するように
いや、トントンは俺と話すのを拒絶していた
tn｢俺は話すことなんてないねん、やから...｣
言葉を切って、にっこりと笑った
いつもよりも笑みが深いのは良い事なのに、どこか不気味に感じて冷や汗が首筋を伝う
音1つ聞こえなくなった廊下に緊張が走る
tn｢大人しく、死んでくれてええよ？｣
瞬間、狂気的なスピードで俺の眼前に現れたトントンは俺を殴り飛ばす
訓練は普段から俺の方が何倍もしているはずなのに、力もスピードもトントンの方が上だった
長い廊下の端まで殴り飛ばされ、背中に痛みが走った
でも、まだ戦える
トントンを止めたいから、助けたいから
こつこつと歩いてくる音がする
前は煙で見えなかった
俺は立ち上がって走り出す
トントンの気配を察知し、ナイフを振りかぶる
ギィンｯ、と鋭い音がして、目をこらすと、とトントンと対峙していた
1度引き、体制を整える
書類ばかりしている人間の身のこなしじゃない
焦りで上手く動かない足に、また焦りを覚えながら、再度切りかかる
数秒睨み合い、何とか押し飛ばす
地に足を着け、すぐに攻撃を仕掛ける
よろけた隙を突こうとしたが、とトントンは直ぐに体制を立て直した
そして、トントンは口を歪ませ、くつくつと喉を鳴らして笑った
tn｢隙ありやで｣
ドスッ
そんな音が脳内に流れる
何度も、何度も
体が動かなくて、重力に従って地面に伏した
生暖かい液体が腹から流れている
...俺、死ぬんやなぁ
誰も、何も守れずに死んでゆく
それが果てしないほどに悔しくて、拳を握った
すまん、皆
トントン、止められへんかったわ
みんなへの謝罪を最期に、俺はぼやける視界を閉じた
tn視点
やっと全員殺すことが出来た
後は、グルさんとゆっくり生活するだけだ
総統室に向かいながら、どう頑張っても緩んでしまう頬を、どうにか引き締める
嬉しくて、総統室をノックする手が少し震えてしまう
手を握り直し、コンコン、と控えめに音を立てる
gr｢入っていいゾ｣
朝から聞いていなかった声に、鼓動が早くなる
早く会いたいのに、なんか気恥ずかしい、心の矛盾がぐるぐると渦巻く
いつまでもグルさんを待たせる訳にはいかないので、ドアノブをゆっくり捻って入室する
続く
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桜花(プロフ) - そうなんですか...汗 (2019年6月7日 23時) (
レス) id: 8e54b1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - tngr地雷なんですよね汗 (2019年6月7日 22時) (レス) id: c9e8aa9aaa (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - すみません！気が付きませんでした、教えて頂いてありがとうございます (2019年6月2日 12時) (レス) id: 8e54b1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月2日 0時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜花 | 作成日時：2019年6月2日 0時
