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「兄様、ソロで録りませんか…」
『嫌だ』
「そこを何とか…」
『嫌だ』
初めて聞いた兄様の歌声。
好きすぎて既に駄目になっている。
本当に素人なんですか?と聞きたくなるほどに声の使い方が上手い。
これはボイトレしたら化け物に進化する気がする…。
『それはカラオケでな』
「兄様…!」
それは私が兄様の歌声を独り占め出来るということで良いんですね!?
私だけが、兄様のソロを聴けるということで!!!!
『さ、帰るぞ』
そう言って帰ろうとする兄様の手を掴んで引き止めれば、兄様は驚きつつ振り向いた。
「兄様、もう一曲私と歌ってくれませんか…?」
『…あと一曲だけだぞ、準備しろ』
「…!はいっ!」
兄様に秘密で選んでいたもう一曲。
私の兄様は、何故この曲を選んだのか気づいてくれるだろうか。
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「すみません、兄さんは慣れてないんでした…」
急な喉の酷使で喉を痛めてしまった兄さんの為に普段より柔らかめのご飯を作りながらそう言う。
兄さん曰く、喋れなくはないが激痛、らしく。
いつもより黙りこくってしまっている。
やらかしましたよ、これ…と泣きそうになりながらご飯を作っていると、兄さんが私の背後に立った。
「どうされました?」
そう聞くと兄さんは私の腹部に手を回し、肩に顔を乗せた。
「…えっ」
人生で初めて、兄さんから抱き着かれた。
しかも頭乗せというオプション付き。
「かっ……!」
可愛過ぎる…!
兄さん、いつの間にこんな事覚えたんですか!?!
私は教えたつもりありませんよ!いや、普段の私か?!
「に、兄さん?私身動きが…」
お皿取れないんですけど…。と言えば、兄さんは私から離れずに棚からお皿を取り出して私に手渡した。
これ、疲労が限界突破した時の私にそっくりだ。
よく考えればそうですよね、慣れないことしましたから疲れも溜まるでしょう。
_____これは兄さんを甘やかす今後2,3年はないチャンス…!
「もうすぐできますから待っててください。離れなくていいですから、ね?」
お鍋の中のものをかき混ぜながら、空いている片手を兄さんの手に重ねる。
「甘えた期ですか?」
そう聞けば、兄さんは私の肩口に頭を押し付けられる。
こーれは…、本当に私にそっくりだな…w
まぁ、私の場合嫌そうな顔しながら構ってくれる兄さんに堪らなくなってキスの雨ですけどね。
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書籍姫(プロフ) - わぁ...好きです...応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) id: b249051f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年11月17日 4時