【男主】代表取締役のお兄様【kgm】 (ページ37)

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「というか思ったんですけど」

新年早々ROF-MAOスタッフに呼び出され、赴いた本社でいつも通りの会議をして、スタッフが退出したと同時に甲斐田さんが声を上げた。

「社長のお兄さん、社長の配信でしか出ないんですよね。チャンネル無いから」

「はい、そうです。だから、兄さんはライバーという枠ではないと言ったんですけど」

「いや、お兄さんとのコラボをすることになったら実質社長とコラボすることになるじゃないですか」

「コラボさせる気はないとあれ程…」

言い切らないくらいで剣持さんが「あ、でもXのアカウントはあるんだ。DM出来るかな」とスマホ片手に呟く。

「DMに制限掛けてます」

「何で社長が制限掛けるんですか」

「私の兄様だからです」

それ以外に理由はありませんが何か？

「は〜…社長のブラコンも中々っすね」

今まで黙っていた不破さんが喋りだしたことに「貴方に私と兄様の何が分かる？？」と返した。

「そりゃ、もちさんよりかはかる、……軽い？？」

「いや重症でしょ」

いや、そんなに重症じゃないと思いますけど。
それに、あまり兄様愛を出してないこの状態で重症って言うなら普段の私は何なんですか。

「お兄さんに◯んでって言われたら本当に◯にそう」

「いやそれは…。………あるかも、です」

「あるんかい！！！」

いやもちろんその時は兄様も一緒ですけどね？
心中ですよ、兄弟心中。…兄弟心中？？？？

「お兄さんに言われても出来ないことってあったりするん？」

「兄様離れですね」

「見事なまでの即答」

「社長、もはや重症どころか危篤ですね」

「そこまで！？」

コーヒーを飲みながら、会話を交わしているとドアがノックされた。

「失礼します」

「社長のお兄さん居ませんか？」

顔を出したのはオリバーさんと叶さんだった。

「私なら居ますけど…見間違えじゃないですか？」

「どういう状況なん、これ」

不破さんがツッコミに回ったということが1番どういう状況ですかこれ。と言いたくなったことはさておき。

「何故兄様を探しているんです？兄様なら家ですけど」

「え？」

「あ〜…加賀美くんには言ってないのかな？」

「あの、兄様が何か…？」

「いや何でもないよ。ただ、お兄さん本人から頼まれたことがあって…」

「社長が会議あるらしいからもしかしたらいるかも、って思ったんですけど…」

私に秘密で何をやってるんですか…。と思いながら兄様に連絡を入れた。