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「ねぇ、あれ大丈夫そう?」
そう声を掛けられ、顔を上げると部屋の隅で壁に向かって「兄様…」とうわ言を繰り返している社長の姿。
いつもの頑健さと気丈さの欠片もなく、そこに居るのはライバーだとか代表取締役だとかのしがらみ抜きに1人の人として存在している"加賀美隼人"だった。
追記、というか補足。
お兄様ラブ!!な、お兄様至上主義の人として存在している"加賀美隼人"その人だった。
うん、我ながら正しい物言い。
「社長本人は大丈夫ではないだろうけど…。
そう返し、社長の元へ向かう。
「しゃちょー」
「はい、なんでしょう…?」
「お兄様が言ってたことなんだけど。お兄様ね、社長が頑張ってる姿が一番好きなんだって!」
「えっ」
「お兄様も連れ去られて不安だと思うんだ。だけど、社長の頑張りって物理的な声だけじゃなくって、ネットっていう特殊的な声でも広がるの!お兄様を元気づける為にも、社長は頑張らないと!!それに、その頑張りをお兄様は絶対に見て聴いて、褒めてくれるよ!」
ちょっと盛っちゃったけど、大丈夫だよね…?
「…そうですよね。えぇ、そうでした。兄様は昔から、そういう人でしたね」
いくらが雰囲気が明るくなった社長に安堵しながら、笑みを浮かべる。
「届けよう、お兄様に!!」
「えぇ…!兄様に届けてみせます、私の頑張りを!」
「その意気やよし、だよ!社長!」
何とか乗り切れそうだな、と安心しながら、頼むから早く七不思議解かれてお兄様救い出して〜!!!と願うばかりだった。
.
「いやぁ、ごめんごめん。社長のお兄さんが来てる上にデビューしてもないのにクラス分けされてるって言うからさ?どうにかして引きずり出したくなるじゃん?」
「なりませんよ」
兄様をしっかりと保護した後、緑仙さんとしっかり話し合う。
兄様を攫ったこと、兄様の姿を晒したこと、兄様の体に触れたこと。
全てに対する謝罪をもらいたい。特に、1つ目は許せない。
「でも、どう兄様を連れ去ったんです?兄様は鍵付きの室内に居て、カードキーを持っていたのは私のみ」
「え?連れて行ったのはボクじゃないよ。というか、お兄さんが居たのは予想外っていうか…」
その回答に目を見開くと、それに同調するように兄様も頷いた。
『俺を攫った奴と体格が合わない』
今年のにじフェスはそれで幕を閉じた。
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書籍姫(プロフ) - わぁ...好きです...応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) id: b249051f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年11月17日 4時