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人事と経理を1人で担当している俺は、俺用の部屋が会社にある。

そこまでしなくて良いとハヤトに言ったが聞かなく、最初は渋々使っていたが今では寝泊まりできるような感じになっている。
ハヤトが色々と置いて帰って行くから、どうすることもできず部屋に溜まっていく状態。

…本人に反省する気はないらしいが。

「兄さん、最近乾燥してて大変って言ってましたよね」

『要らん』

「まだ何も言ってないじゃないですか!!」

パソコンに目を向けたまま言い放ち、業務を続ける。
「兄さーん?兄さーん?」と声を掛けられるが無視し、文字を打つ。

「兄さんっ!」

『要らないって言ってるだろ』

顔を上げれば、ハヤトは怒りを孕んだ目で俺を見下ろしていた。

「…流石の俺でも怒りますよ」

『はぁ…。今度は何だ』

そう言えば、すぐに機嫌を直して笑う。

「加湿器です。兄さんの肌が乾燥するとケアが大変なので」

俺が敏感肌であることを知っているハヤトはそう言って、部屋の隅に加湿器を置いた。
言葉をつまらせた俺は黙ってハヤトを見て、溜息をつく。

悔しいけど、言い返せねぇ。

「それと、この前誰かから保湿クリームを貰ったようですけど捨ててくださいね。アレ、兄さんの肌には合わないので」

『匂いが無理だったからもう捨てた』

「なら良いんですけど」

ハヤトは加湿器の電源を入れて俺のもとに戻ってきた。

「にしても、兄さん今まで加湿器無しでどうやって冬を過ごしてきたんです?」

『声を発さない』

「そっちじゃなくて肌ですよ。絶対乾燥して痒くなってましたよね」

『保湿クリームで耐えてた』

「…本気で言ってます?」

その言葉に頷くとハヤトはでかすぎる溜息を吐き、ぺちっと俺の頬を包んだ。

「兄さんの餅みたいな頬がカサカサになるのは嫌ですよ」

『頬以外なら良いんだな』

「違う違う違う違う違う違う。兄さんの肌は人一倍デリケートなんですから、大切にしなさいと」

『親か』

未だ包まれている頬から手を離させ、溜息を吐けば「幸せが逃げますよ」なんて。

『別に、俺からならいくらでも逃げていいと思うけどな。その分、ハヤトが幸せなら文句はねぇよ』

「えっ………………、好きです」

『はいはい』

言われ慣れた二文字を適当に流し、仕事を再開する。

『…アロマオイル入れたな?』

「兄さんがリラックスしてくれると思って…」

『いや、寧ろ違和感あって肩凝る』

「えっ」

【切り抜き】かっこ可愛い(1:9)お兄様の話【加賀美兄/2j3j】→←.



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書籍姫(プロフ) - わぁ...好きです...応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) id: b249051f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年11月17日 4時

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