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「折角だし、兄様もサイン書いて行きません?」
『俺はライバーじゃないだろ…』
「いや、まだ正式デビューしてませんけどクラス分けされてますよ?」
『何でだよ』
文句を垂らしながら兄様は私と同じクラスのところにサインを書く。
綺麗な筆記体のデザインで[Kagami]と書いたあと、そのすぐ横に小さく(兄)と書いていた。
『これでいいだろ』
カチリ、と蓋をはめたところで兄様はそう言い、私を見た。
「はい、100点満点です」
忙しなく動いている人影の中にあるものを見つけ、兄様の手を引いてそこまで連れて行く。
『は、ハヤト?』
「見せたいものがあるんです!」
少し足早に歩きながらそう言い、目当てのものが近づいて来て少し笑う。
「見て下さい。カガミダヨー、です」
『…小さい頃のハヤトみたいだな』
「小さい頃の私って…ピアスしてませんから!!」
『ハヤト〜、お前ずいぶん小さくなったな』
「兄様ぁぁぁっ!!!」
きゃっきゃっと楽しんでいる兄様に、後ろから1つの影が近づいた。
「あ、」
『ん?』
カガミダヨーが素早く反応し、そっちに回った事で兄様は気づいた。
『…俺だな』
「えぇ、そうですね」
兄様の髪型、服装をしたカガミダヨーがそこに居た。
あ、お母様が仕立ててくださった兄様の衣装とは違う衣装だ。と思った後、いやこれ兄様の私服ですよね?何処で情報手に入れた!?とどこかで監視されている疑惑が湧いた。
『ふ、ハヤトは本当に俺が好きだな』
大きく頷くカガミダヨー(私の方)に、私も大きく頷く。
『今にでも「兄様♡」って喋りだしそう』
「兄様呼ぶ時語尾に♡付きませんから。…え、付きませんよね?」
『さ、行った行った。仕事頑張れよ』
そう言って私達を見送る兄様は、私の方を見て『行くぞ』と行った。
そう、私達にもやることがあるのだ。
歩き出そうとすると、後ろから「niisanが2人…?!」と聞こえた。
「…兄様、紹介しますね。彼はヴァーミリオンくんで、服を仕立てて下さったお母様が同じ実質弟のような存在です」
「あ、最近噂のniisanの本当の兄様…!!」
「私に本当じゃない兄がいるみたいになってますよ、それだと」
『定期的にDMでハヤトに弟がいるっていう謎の報告文の弟本人か…。I am glad to meet you』
兄様はヴァーミリオンくん、否oto-toを気遣ってか、英語で話しかけたが
「本当にそっくりですね…!oniisama!」
「あ、聞いてない」
見事なスルーに兄様と顔を見合わせ、苦笑を浮かべた。
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書籍姫(プロフ) - わぁ...好きです...応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) id: b249051f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年11月17日 4時